結婚に関する写真(ウェディングフォト)には、大きく分けて3種類あります。
1.結婚式や披露宴当日の姿を撮影する「スナップ撮影」
2.挙式や披露宴、結婚パーティーとは別の日に婚礼衣裳を着て撮影をする「別撮り(前撮り・後撮り)」
3.式や披露宴はしないが、婚礼衣裳を着て記念写真を残す「フォトウェディング」
別撮りは結婚式当日より前に撮影することが多いので「前撮り」とも呼ばれます。
別撮りへの需要は年々増しており「式の前に別撮りのスタジオ・ロケーション撮影をしましたか?」という質問に「した」と答えたのは59.4%。半数以上のカップルが別撮りを行なっていることが分かります。2009年度は「31.9%」だったので、1.5倍以上増えている計算になりますね。
では実際に「自分たちには別撮りが必要なのか?」や「もし別撮りを行なう場合、何をどうすれば良いのか?」など、考えてみたいと思います。
アンケート出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2015
目次
自分たちには必要?別撮りをするメリット
挙式や披露宴の時にも写真を撮る機会はありますが、別撮りをする理由としては以下の3通りの要望に分かれます。
- 挙式や披露宴とは異なる衣裳が着たい
- 別の日に時間を掛けてゆっくりと撮影をしたい
- 当日の準備やウェディングアイテムに二人の写真を使いたい
挙式や披露宴とは異なる衣裳が着たい
- 当日と違う衣装が着られる:57.5%
- 和装で撮りたかった:47.7%
挙式、披露宴、披露パーティーでの新婦の衣裳数の平均は2.2着。
組み合わせは「ウェディングドレス+カラードレス」が半数(53.8%)で、「ウェディングドレスのみ」が続きます(13.4%)。
その為「洋装以外にも和装姿(白無垢や色打ち掛けなど)を残したい」「当日はウェディングドレスだけなので、他の衣裳も着てみたい」という理由から別撮りを選ぶ人も少なくありません。
実際に花嫁の衣裳は「色打ち掛け」が人気で、次に「ウェディングドレス」や「白無垢」が続きます。
花婿の衣裳は「紋服」が約半数。タキシードも少なくありませんが、花婿衣裳との組み合わせで決まる所が多そうですね。
衣裳総数は、スタジオ撮影とロケーション撮影で微妙に差があります。
スタジオ撮影は「1着または2着」。ロケーション撮影は「1着」。屋外撮影の場合は持参する荷物や着替える手間などを考えると、衣裳総数も少なくなる傾向がありますね。
別の日に時間を掛けてゆっくりと撮影をしたい
- ゆっくり時間をかけて撮りたかった:43.7%
- 挙式・披露宴・披露パーティー以外で撮りたいシーンがあった:35.0%
- 当日は時間がなかった:11.1%
- 当日はお酒を飲んで顔が赤くなる(赤くなった)ので:2.5%
- 自分たちの子どもと一緒にゆっくり撮れる:1.4%
式や披露宴当日は「スナップ撮影」という形になるので「自分が納得がいく姿を写真に残したい」という人は別撮りがおすすめです。
何かとやることが多い挙式や披露宴は時間に追われやすいので、別の日にゆっくりと撮影時間を持てるのは精神的にも楽です。
また元々別撮りを行なう予定が無くても「当日は時間がなかった」や「当日はお酒を飲んで顔が赤くなる(赤くなった)ので」という理由から「きちんとした姿で写真を残したい」として後撮りをする場合も出てきますね。
私(結婚準備のリアル管理人)の母の時代は、別撮りが一般的では無く「せっかくのタキシードだったのに、父ちゃん(新郎)が真っ赤な顔してる写真しか無い」という話を聞いていたので、しっかりした婚礼写真を残したいのであれば、別撮りは必要不可欠だなと感じました。
当日の準備やウェディングアイテムに写真を使いたい
- メイクリハーサルになる:34.0%
- ウエルカムボードとして使うため:31.7%
- 当日映像として使うため:28.4%
- 当日席次表などのペーパーアイテムとして使うため:14.3%
- 結婚報告はがきに使うため:14.1%
- その他当日に使いたかったから:9.9%
- 当日親へのギフトとして使うため:4.8%
ウェディングアイテムに「自分たちの写真を入れたい」と思う人にとって、前撮りはかなり便利。
ウエルカムボードやプロフィール、ウェディングムービー、席次表などの他に、後日送る結婚報告はがきにも使えます。
自分たちで撮影した写真よりもプロの手による方が、見栄えも良いですよね。
フォトウェディングスタジオや写真館では、自分たち用のアルバムを作れる他、写真データを貰うことで様々な用途に使えます。「台紙写真にはしなかったけど、どこかで使いたい」という要望にもぴったりです。
また挙式や披露宴の時と同じ婚礼衣裳を着たり、ヘアメイクをしたりすることで、当日の予行練習にもなります。
その他
- 別撮りのスタジオ・ロケーション撮影のサービスがあった:10.1%
- 親のすすめ:6.3%
- 海外挙式または国内のリゾート地での挙式だった:4.0%
- 当初、挙式、披露宴・披露パーティの予定がなく、写真だけでも残したかったから:1.3%
スタジオ撮影・ロケーション撮影とは?
別撮りには、式場や写真屋でのスタジオ内で撮影する「スタジオ撮影」と、屋内で撮影する「ロケーション撮影」の2種類あります。
スタジオ撮影は44.9%、ロケーション撮影は34.9%と、ややスタジオ撮影の方が人気が高い結果になりました。「両方とも行なった」のは20.2%と少数派。
撮影の依頼先は「会場の専属または提携事業者」が半数以上で、外部の写真屋やカメラマンに頼む人もいます。
スタジオ撮影
スタジオ撮影は「室内で行なう」という特徴から
- 費用が安い。
- 撮影時間が短い。
- 天候や気温に左右されない。
- 衣裳が何着もあっても、衣裳替えがスムーズに行なえる。
- 不特定多数の人に見られる心配が無く、落ち着いて写真を撮ってもらえる。
- スケジュール調整がしやすく、家族写真も撮りやすい
というメリットがあります。
デメリットとしては「背景が決まっているので、意外性のある写真が撮れず、ありきたりな写真になりやすい」こと。
「きちんとした写真を確実に残したい」という堅実派におすすめな撮影方法と言えますね。
【スタジオ撮影が向いている人】
- 写真を撮られることに慣れていない
- 病弱や妊婦などの理由で体調面に不安がある
- 小さな子どもやペットを同伴して写真撮影をしたい
- 不特定多数の人に撮影姿を見られず、落ち着いた環境で記念撮影を行ないたい
- 親や親戚に見せる用の「きちんとした写真」が欲しい
ロケーション撮影
ロケーション撮影を行なうメリットは「屋外の素敵な景色を背景にして、バリエーション豊かな写真が撮れる」こと。
撮影地としては、庭園、神社、チャペル、公園、海、観光名所、二人の思い出の場所などが選ばれています。
例えば京都であれば「祇園」「東山・白川」「八坂」「岡崎」「嵯峨嵐山」「鴨川」「町家」「植物園」「今宮神社」「吉田神社」などが代表的ですね。
私の出身大学でも「ウェディングドレスとタキシードを着た男女が階段で写真を撮っていた」という話を聞いたことがあるので「同じ大学で知り合った」というのであれば、思い出の地として撮影地に選ぶのも有りですよね。
事前に撮影許可が場所な場合が多いので、別撮りをする際は「どこで撮影OKなのか?」を確認することが必要不可欠です。
ロケーション撮影のデメリットとしては
- 撮影地までの交通費がかかり、値段が割高になる。
- 移動や撮影が長時間になりやすい。
- 一般の人に見られやすいので、居心地悪く感じやすい。
- 天候に左右されやすく、予定通りに撮影できない可能性がある。
などが挙げられます。
- 二人らしい写真を残したい。
- 映画のワンシーンのような写真を残したい。
- 思い出の場所で写真を撮りたい。
と思うのであれば、ロケーション撮影を行なう価値は高いですね。
平均予算は15~20万円
別撮りの平均予算は、スタジオ撮影は15.0万円、ロケーション撮影は17.6万円。
基本プランは「撮影」「衣裳・小物貸出(持ち込みも可)」「着付け・ヘアメイク」「写真」「データ」。
日時や撮影枚数、衣裳、衣裳数、写真やデータの数によって料金が変わります。
特に「選ぶ衣裳」によって料金が割高になりやすいです。
基本料金内で衣裳を選ぼうと思うと、質やデザインがイマイチ(特に女性の婚礼衣裳の場合)なことが多く、自分が気に入ったものが見つからない可能性が出てきます。
実際に私の友人が別撮りをした時は「料金内の色打掛は『ちょっと……』と思う色や刺繍が多くて、+3万円になった。旦那(紋付袴)は料金内にした」という話を聞きました。男性の紋付袴よりも、女性の色打掛の方が金額によって質に大きな差が出やすいように思います。
「基本料金は○万円だけど、△万円までに収める」というように、ある程度は料金が高くなることを見越した上で、予算設定をすることをおすすめします。
またロケーション撮影は移動先への交通費もかかってくるので、その分、費用が高くなる傾向があります。
「なるべく安く別撮りをしたい!」と思うのであれば
- 撮影時期:閑散期(1~2月、7~8月)
- 撮影日:平日
- 衣裳:洋装
- 衣裳数:1着
- 撮影方法:スタジオ撮影
にすれば、費用を抑えられます。
別撮りをするのは式前?式後?
実施時期として最も多いのが披露宴の4週間前。2週間前、8週間前が続きます。
結婚式の1~2ヶ月前となれば、席次表やプロフィール表、席札などを手配したり、ウエディングアイテムの制作を開始し始めたり時期なので、そのあたりとの兼ね合いを見ながら進めていくと良いですね。
ロケーション撮影であれば「式の○週間前」ではなく、撮りたい時期に応じて行なう人も少なくありません。
例えば「桜や紅葉を背景に写真を撮りたい」など。
ウェディングフォトは、式場と同じく春・秋が繁忙期。スタジオ撮影ならば夏・冬の閑散期を狙って費用を安く抑えるという手もあります。
また「披露宴後に別撮り(後撮り)をする」というのは、かなり少数派。
「式当日の写真で気に入ったものが無かった」「当日は写真撮影をする時間がなかった」など、元々別撮りをする予定は無かったけれど、事情があって急遽行なったというケースが目立ちます。
基本的に結婚式が終わった後に別撮りをすることはないので「式以外に、婚礼衣裳を着て写真を残したい」という人には、前撮りをおすすめします。
まとめ
【別撮りの用途】記念写真、結婚式・披露宴の準備
【別撮りをする人】約半数以上
【撮影時期】挙式・披露宴の2~8週間前
【平均予算】15~20万円
【衣裳数】1~2着
【花嫁衣裳】色打ち掛け>ウエディングドレス、白無垢
【花婿衣裳】紋服>タキシード
【撮影方法】スタジオ撮影>ロケーション撮影>両方
【撮影の依頼先】会場の専属または提携事業者、外部の写真屋やカメラマン