ウエディングドレスは見た目はすごく華やかでキレイなのですが、実際に着て歩いてみると「重い」「大きい」「歩きにくい」で、なかなか思うように動けません。
普段の歩き方ではドレスで美しく歩くのは難しいので、当日、自信を持ってドレス姿が見せられるように「ウエディングドレスでの歩き方」について学び、実際に練習してみましょう。
また歩く姿だけではなく、写真を撮られる機会の多い「立ち姿」や「座り姿」がきれいに見えるための姿勢の作り方や、所作の仕方も併せて見ていきたいと思います。
目次
ウエディングドレスの基本姿勢
ウエディングドレスをキレイに見せるには、まず基本姿勢をマスターします。
1.デコルテを大きく開き、胸の位置を高くする
肩をぐるっと後ろに回して、肩甲骨で背骨の中心に寄せるようにする。
2.頭をできるだけ後ろに引く
背骨の真上に頭を乗せ、アゴを引くイメージ
慣れないことの連続で緊張すると、猫背気味になってしまうので「胸を張って堂々とする」ことを意識的に行ないます。
ウエディングドレスの基本の歩き方
※歩き方の解説は、動画の4:17後から行なわれます。
ドレス内側の空間を蹴るように歩く
ウエディングドレス内部には空洞がある(足とパニエとの間に隙間がある)ので、膝を曲げて蹴るようにして歩くと、スカートの裾を踏まずに歩けます。
ドレスを大げさに蹴ると「やんちゃさ」が出てしまったり、蹴る音が聞こえたりして、美しさが半減してしまうので、力加減に注意しましょう。
イメージは「足の中でも膝頭だけが、ドレスに当たるようにする」「足の甲でドレスを前に送り出す」感じで歩きます。
歩幅は「普段よりも小さめ」、歩調は「普段よりもゆっくり」を心がけます。
また当日のウエディングシューズはハイヒールタイプを履く人が多いので、普段は高いヒールを履かない方は「キレイに見えるハイヒールの歩き方」も合わせて練習しておきましょう。「生まれたばかりのコジカ歩き」にならずに済みます。
ウエディングドレスを着て歩く際は「正しいハイヒールの歩き方+足を前に蹴り出す」を心がけてみてください。
マーメイドタイプの場合
マーメイドやスレンダータイプのウエディングドレスは、スカート部分が細身のデザインなので、パニエを履かずドレスが足にまとわり付くような感じになり、更に歩き方には気を付けなければなりません。
- 足の形や足遣いが分かりやすいので、膝と内ももをすり合わせるようにして歩く。
- 歩く際にお尻が出過ぎないように、下腹を安定させる。
- デコルテを開き、背筋が伸びるようにする。
上記3点を意識すれば、細身のウエディングドレスを際立たせる優雅な歩き方が行なえます。
ブーケはおへそ辺りで持つ
ウエディングブーケはおへその辺りで正面に向けるように持つと、全体の姿がキレイに見えます。
緊張すればするほど、肩や腕が上がりやすくなってしまい、ブーケの位置が胸まで来てしまうことがあるので「腰骨に手首を置く」をイメージすると、位置がブレにくいです。
入場
キリスト教式の挙式では、父親(または母親や兄弟など、花嫁のエスコート役となる人)が、新婦をエスコートしながら入場をします。
新婦 父親(エスコート役)
の立ち位置で、腕を組みます。花嫁は右手を「相手の腕に添える」イメージで置くと、美しく見えます。
エスコート役または新婦がドレスの裾を踏んで転びそうになった時などは「支え」として利用できるよう、いざとなれば、しっかりと掴める位置で持ちましょう。
父親は新婦の半歩前へ踏み出して、その距離感を保ったまま、バージンロードを歩きます。
真横にいると、どうしてもドレスの裾を踏んでしまう可能性が高くなり、危険です。
エスコート役は大股で歩き過ぎると、新婦と歩幅が合わなくなるだけではなく、ドレスを踏む危険性が高まるので「ちょこっと」「ちょこっと」ずつ歩くようにしましょう。
バージンロードの歩き方
扉の前までは普通に歩いても良いのですが、扉の前で一礼した後、バージンロードを歩く際は「ウエディングステップ」と呼ばれる独特の歩き方をします。
【ウエディングステップ】
1.左足を出して、左足をそろえる
2.右足を出して、右足をそろえる
1と2を交互に繰り返して少しずつ進んでいく。
文字にすれば非常にシンプルなのですが、実際に歩いてみると、普段とは異なる歩き方なので、なかなか慣れるものではありません……。
挙式前や入場前に時間の余裕があれば、当日のリハーサル時だけではなく、何回か練習をしてコツを掴んでおくと、本番時にも、自信を持って歩けるようになると思います。
過度に緊張したり、入場曲の曲調が速かったりすると、どうしても急ぎがちになり、歩くスピードも速くなってしまうので「自分が思うよりも、ゆっくり歩く」ことを意識しましょう。
一緒に歩く二人の「速さ」と「リズム」がそろうと美しく見えるので、入場曲を流しながら練習してみましょう。
当日の入場曲をお任せにしている場合は、とりあえず、入場曲として有名なメンデルスゾーンの『結婚行進曲』に合わせて行なってみると、雰囲気が掴みやすいと思います。
バージンロードは「新婦の生まれてから、今までの人生の道のり」を意味しており、ウエディングステップは「赤ちゃんのよちよち歩き」を表現したものと言われます。
バージンロードを一歩一歩、進むことで、年を経ていき、途中で父親から新郎にエスコート役をバトンタッチすることで「新郎と出会い、結婚する」という筋書きになるのです。
新婦は交互に歩かなくても大丈夫
ウエディングステップを行なう際は「左足を出して、左足をそろえる」「右足を出して、右足をそろえる」と交互に足を出すのが基本ですが、新婦の場合はドレスの裾が足元まであるので「右足を出して、右足をそろえる」「右足を出して、右足をそろえる」というように同じ足を続けて出しても大丈夫です。
ウエディングシューズが履き慣れていなくて安定感が悪い時は、がに股気味になって歩いても分かりません。
マーメイドタイプなど、足の形が分かりやすい(パニエがなく、スカートが絞られているデザイン)ウエディングドレスの場合は「交互に歩く」「足は膝と内ももをすり合わせるようにして歩く」をした方が、見栄えが良いです。
そのようなデザインのドレスを着るのであれば、徹底的に練習した方が当日の美しさに差がつきます。
お辞儀の仕方
結婚式当日、様々な場面で「お辞儀をする」機会があるので、キレイに見えるお辞儀の仕方も要チェックです。
1.背筋を伸ばしたまま、腰から上半身を静かに倒す。
頭を下げるではなく「腰を引く」。角度は15度または45度がキレイに見えます。
2.視線は「前方の床」を見るようにする。
上目遣いにならないように注意。
3.一度で目標の角度まで上半身を倒して(1)、一度止まり(2)、ゆっくり上半身を起き上がる(3、4、5)。
座り方
控室や披露宴の高砂席で座る際は普段よりも浅く腰かけ、背もたれを使わず、背筋を伸ばした姿勢をキープするのが基本の座り方になります。
1.招待客の方を真っ直ぐ向いたまま、介添人さんが椅子を座りやすいように入れてくれるのを待つ。
2.足が椅子の座面に触れた感触があったら、上半身を真っ直ぐにしたまま、ゆっくりと腰を落とす。
※目線はずっと前を向いたまま、後ろを振り返りながら座るのは、キレイな姿には見えません。
3.スカートの裾は整えてくれるので自分では触らない。
4.お腹に力を入れて、背筋をしっかり伸ばす。
いかがでしたか?
自宅で練習をする場合は、ブライダルインナーを付けた状態で行なうことをおすすめします。
ドレスが着れなくても当日は同じインナーで結婚式に臨む訳なので、ブライダルインナー独特の付け心地や動きやすさ、動きにくさを体感しながら練習が行なえます。
可能であれば、スマホやデジカメで自分の立ち振舞いの動画を撮影して「どう動けば、キレイに見えるのか?」を研究してみてください。