特別費とは「毎月、決まって発生しない支出」のこと。「特別出費」や「特別支出」とも呼ばれます。
「普段通りの生活だったはずなのに、なぜかお金が足りず、先取り貯金に手を出してしまったことがある」という経験がある人は(私のことです)、特別費に対する備えがなかった為に起きたわけです。
特別費は万単位の出費になることが多く、不定期な分、意外と見落としがちな支出なので、いつの間にか家計を逼迫させる大きな原因になります。
家計管理は「生活費・固定費」「貯蓄」だけ注目してしまいがちですが「特別費」も忘れずに考えていきたい部分です。
特別費の考え方
【POINT】
- 「主な特別出費」から年間予算を考える
- 特別出費がいつ起こるのか把握する
特別費は月や年ごとに、発生イベントや金額、頻度が大きく異なるので、年間できちんと把握することは家計管理で大いに役立ちます。
主な特別費を見ながら「予想される特別費が1年のどのタイミングで起こるのか?」「総金額はいくらになるのか?」を考えてみましょう。
【主な特別出費】
衣類 | 冠婚葬祭の衣服 スーツやコートなど金額が大きくなるもの |
住まい | 家具・家電の購入、修理 引越し 更新料(賃貸物件) 固定資産税(持ち家) 自治会費 家の修理費 NHKの受信料 |
買い物 | 年会費 解約手数料 |
交際費 | お中元・お歳暮 冠婚葬祭(祝儀、香典) 結婚祝い・出産祝い・七五三 誕生日、結婚記念日、母の日、父の日、敬老の日、クリスマス、バレンタインデー、その他イベント |
車関係 | 自動車税 自動車保険 車検 タイヤの交換 |
バイク関係 | バイク保険 車検 |
医療費 | 交通事故など不慮のケガや入院 不定期の通院 整体・マッサージ 高額な医療費 ペットの医療費 |
娯楽 | 旅行代 観劇・チケット代 帰省代 円盤(Blu-ray、DVDBox)購入 習い事の発表会 |
月別に予想される出費を書き出すことで「1年間で、いくら準備しておく必要があるのか?」が分かります。
新婚生活1年目だと特別費だらけで、何かと家計管理が大変だとは思いますが「来年以降、このお金は引き続きかかりそうだな……」などの目安は付けておいた方が安心ですね。
特別出費に備えるお金の貯め方
特別費の貯め方は
- 毎月、積み立て貯金をする
- ボーナスで貯める
の2パターンあります。
特別費は不定期に引き出されるお金なので「貯蓄用口座」とは別にしておいた方が管理が楽。
お金の引き出しやすさを考えると「普通預金口座」または短期間(2週間や1ヶ月、3ヶ月など)の「定期預金口座」に貯めておきます。
特別費は「夫婦2人に関わるもの」と「1人だけに関わるもの」に分かれますが、とりあえず「特別費用口座」に一括でまとめてみて、上手くいかないようであれば考え直す……という感じで始めてみれば良いと思います。
毎月、積み立て貯金をする
給料が振り込まれる口座から、先取りで「特別費用口座」にお金を入れる方法です。
先取り貯蓄と合わせて行なうと、毎月の生活費がカツカツになりやすいのですが、きちんと毎月一定額を貯めておけば、突然の大きな出費にもそれなりに備えられます。
「年や業績によってボーナスの頻度や金額が異なる」という世帯には、確実に金額が貯まる積立貯金がおすすめです。
毎月の特別費用口座に入れる金額は「1年間でかかる特別費(の予想金額)を12ヶ月で割ったもの」が目安。
家計のやりくり後に余剰金が出た時は、貯蓄用口座に入れる他、特別費用口座に入れておけば「思った以上に特別費が多くなった」という時の足しになりますね。
ボーナスで貯める
年1~2回、ボーナスとしてまとまった金額を受け取った後、特別費分の予算金額を「特別費用口座」に入れておく方法です。
生活費用口座にボーナスを入れっぱなしにすると「お金がたくさんある!」と思って、どうしても多く使ってしまうので「絶対に手を付けないお金」として先取りしておきます。
給料からではなく、ボーナスで準備する方法なので、毎月の負担がぐっと減るのがメリットです。
ただしボーナスの支給頻度や金額が年によって異なる場合は、アテにし過ぎると危険。
まとめ
特別費は毎月の生活費と一緒に考えると「毎月、頑張ってやりくりしているのに、さらっと大金が出てしまうから、節約しても意味が無いのでは?」と思ってしまい、節約意識がどんどん目減りしてしまいます。
そのため、特別支出に関しては「出て行く時は出て行くのだ」とすっぱり割り切ってしまい、日々の家計簿とは別に管理することが大切。
良くある「いつの間にか赤字」は特別費のことを全く考えていないと起こりえることなので「今年の○月には車検があって、△万円が引かれるから、遠出の旅行は控えよう」など計画立てれるようであれば、貯金を大きく切り崩さなくても済みますよね。
特別支出は減らそうと思っても、できない部分が多いので「1年間にどれだけの特別費が出るのかを把握しておき、何らかの方法でまとまった金額を先取りで用意しておく」を意識して、その時が来ても備えられるようにしておきましょう。