退職日の前後は在職中に使用していたものを返却して、退職後の各種手続きに必要な書類を会社から受け取ります。
事前に返却&受け取るものをリストアップしておくことで、後日、会社と「返却されていない」「受け取っていない」というようなトラブルを回避したり、手続きをスムーズに行なうことができます。
目次
会社を辞める前に確認すること
社会保険系
会社が給料から天引きしていた各種税金関係。
【健康保険】
会社の健康保険に加入しているので、退職時には健康保険証を会社に返却する必要があります。
【厚生年金】
退職後は国民年金に加入します。
転職時に前の会社から新しい会社へ引き継ぐこともできます。
【住民税】
その年の1月1日に住民票がある市区町村から徴収されますが、会社員は給料から天引されています。
住民税の金額は前年度の所得で決まるので、退職した翌年は納税通知書が届きます。
退職した月が6~12月の場合は、翌年5月までの未納額を
- 最後の給料から一括で天引き
- 退職後に自分で分割払い
から選択できます。
積立系
会社独自で積立を行なっていた場合、解約(一部は引き継ぎOK)をします。
また社内融資やローンが未完済であれば、退職時には一括返済が原則です。
【財形貯蓄】
会社が毎月の給料から天引きして積み立てる貯蓄のこと。
退職金や給料と一緒に振り込まれるか、手続き書類を持って金融機関へ行き解約を行ないます。
【持ち株会】
積立金で定期的に自社の株式を取得する制度のこと。
退職後は「自分名義に書き換えて所有する」または「売却して現金で受け取る」という方法があります。
【社内預金】
会社が運用することで、高金利で預金ができる制度のこと。
退職時に解約請求をすることで、返金が受けられます。
【退職金積立】
継続年数が短いと退職金がもらえることは少ないのですが、会社が給料から天引きで退職金を積み立てている場合は、退職時に受け取れる可能性があります。
会社に返却するもの
【社員を証明するもの】
- 健康保険証
- 身分証明書(社員証、IDカード)
- 社章・社員バッジ
- 名刺
健康保険証
健康保険は会社を通じて加入している為、退職後は使えなくなります。
再就職先が決まっていれば、新しい会社で健康保険への加入手続きを行ないます。
しばらく再就職の予定がない場合は「国民健康保険に加入する」、「健康保険の任意継続する」、「配偶者の健康保険の被扶養家族になる」のいずれかを選びます。
【会社から貸与されていたもの】
- 通勤定期券
- 制服、作業着
- カギ
- ノートパソコンなど
通勤定期券は「通勤する為の定期券」なので、原則として退職日までに精算・返却します。
【社費で購入した物品】
- 文房具
- 書籍
【社内の機密事項に当てはまるもの】
- 各種資料・データ
- 調査報告書、企画書、図面
- 取引先の名刺
- 社内資料、社外秘資料、社内マニュアル
私用のパソコンにデータを保存していた場合は、データの返却と処分を忘れずに行ないます。
退職した後日に会社から受け取るもの
【雇用保険被保険者離職票】
ハローワークで失業保険の手続きをしたり、配偶者の健康保険の扶養家族になる為の手続きしたりする際に必要な書類です。
「離職票-1」と「離職票-2」があります。再就職が決まっている場合は必要ありません。
退職日の翌日から起算して、10日以内に会社から交付される(一般的に郵送が多い)のですが、期限を過ぎても何も届かない場合は要問い合わせ。
それでも来なければ、ハローワークに申し出て、催促をお願いしてもらいます。
退職後すぐに受け取れる書類ではないので、退職前後で引っ越しを行なう予定であれば「会社に新住所を伝えておく」や「郵便局で転居届を提出する」など、確実に離職票を受け取れるように対策をしておきます。
【雇用保険被保険者証】
「雇用保険の加入者であること」を証明する書類で、入社時に交付されます。
転職先に提出したり、ハローワークでの失業保険の受給手続きをしたりする時に必要になります。
紛失時は住まいの住所地にあるハローワークで再発行も可能です。その際に「被保険者番号」が必要になるので、会社へ要問い合わせです。
【年金手帳】
「公的年金の加入者であること」を証明する書類です。
勤め先が変わっても、同じ年金手帳を使うので、会社が保管している場合は必ず受け取ります。
日本企業は会社保管、外資系企業は個人負担の場合が多いようです。
再就職先が決まっている場合は新しい会社に提出。決まっていない場合は、役所で国民年金の手続きを行ないます。
自宅で保管していて、紛失してしまった場合は、社会保険事務所で再発行してもらいましょう。
【源泉徴収票】
所得税の年末調整に必要な書類です。
離職票と同じく、後日発行されるので、自宅へ郵送してもらうのが一般的。
転職先が決まっていれば新しい会社に提出して、前職分もまとめて年末調整をしてもらいます。
退職した年内に再就職先をしなかった場合は、翌年の3月15日までに税務署へ行き確定申告をします。
【健康保険被保険者証資格喪失確認通知票】
会社の健康保険から脱退したことを証明する書類です。
失業中に国民健康保険への切り替えをする際に必要になります。
【退職証明書】
退職後、配偶者の健康保険の被扶養者になる時などに必要な書類です。
【在職期間証明書】
「当社にいつからいつまで在職していた」ことを証明する書類です。
会社によっては無い場合もあります。
まとめ
最後に、退職・再就職時の各種手続きについてまとめてみました。
具体的な手続きに関しては、会社によって異なる場合があるので、担当者と相談や確認をしながら行なっていくことが大切です。
転職先がすでに決まっている
勤務先の担当部署
・雇用保険被保険者証を受け取る(退職日当日まで)
・健康保険証を返却する(退社日当日)
・年金手帳を受け取る(退社日当日まで)
・離職票を受け取る(退職日から10日以上1ヶ月以内が目安)
・源泉徴収票を受け取る(退職日から1~2ヶ月以内が目安)
・住民税支払い方法の確認(退職日当日まで)
・退職所得の受給に関する申告(退職金が支給された時)
転職先の担当部署
・雇用保険被保険者証を提出する(入社後すぐ)
・年金手帳を提出する(入社後すぐ)
・源泉徴収票を提出する(年末調整前)
転職先が決まっていない
勤務先の担当部署
・雇用保険被保険者証を受け取る(退職日当日まで)
・離職票を受け取る(退職日の翌日~10日後が目安)
・健康保険証の返却(退職日当日)
※「健康保険の任意継続」、「国民健康保険料の加入」、「配偶者の健康保険の扶養家族に入る」を選ぶ必要あり。
・年金手帳の受取(退職日当日まで)
・源泉徴収票を受け取る(退職日から1~2ヶ月以内が目安)
・住民税支払い方法の確認(退職日当日まで)
・退職所得の受給に関する申告(退職金が支給された時)
住所地を管轄するハローワーク
・求職の申込み、失業給付金の受給申請(離職票を受け取った後すぐ)
住所地を管轄する市町村役所・役場・行政センター
・国民年金の加入(退職日の翌日から14日以内)
・所得税の確定申告(2月16日~3月15日の間)