二人の休みを合わせて平日に婚姻届を提出する予定であれば、氏名変更や勤め先に結婚したことを証明するのに必要な公的書類の取得、本人確認書類の氏名変更なども合わせて行なうことをおすすめします。
役所は「婚姻届を受理してもらう」以外にも、婚姻届受理証明書や住民票など、各届け出に必要な公的書類を発行してもらえる所なので、帰宅してから「名字変更や会社への届け出に必要な書類を取得し忘れた!」なんてことがないように、自分が行なう手続きに合わせて必要なものを確認しておきましょう。
事前準備
氏名(名義)や本籍を変更をする項目を確認する
まずは自分が行なうべき、氏名(名義)や本籍変更の項目を確認します。
▼婚姻届の提出直後から変更可能な手続き▼
□運転免許証
□通知カード、マイナンバーカード
□自動車・バイク
□金融機関
□クレジットカード
□携帯電話
□保険(生命保険・損害保険など)
□公共事業サービス(電気、ガス、水道など)
□プロバイダ
□習い事
□ショッピングサイト
▼職場で行なう手続き▼
□結婚届
□健康保険証
□年金手帳
□クレジットカード(法人)
▼戸籍謄(抄)本取得後に変更可能な手続き▼
□パスポート
本籍変更まで必要な項目は、運転免許証とパスポートくらいです。
運転免許証は「運転免許証と本籍記載の住民票」、パスポートは「パスポートと戸籍謄本または戸籍抄本など」が必要になります。
住民票は居住地の市区町村役所に婚姻届受理証明書を持参すればすぐに発行してもらえますが、パスポート(新規・記載事項変更に関係なく)は戸籍謄本または戸籍抄本を取得するまでには、婚姻届提出・受理後1~2週間前後かかるので、申請までに日数が他よりもかかります。
手続き方法(窓口、郵送、ネット)を確認する
各項目の氏名・名義変更の手続きをする際は、以下の方法を利用します。
- 窓口:各支店の窓口で必要書類を持参して手続きをする
- 郵送:変更届や提出書類を郵送する
- ネット:編集画面から変更する
ライフライン(電気、ガス、水道など)や、一部の銀行(じぶん銀行など)では、電話での氏名変更も受け付けています。
基本的に窓口や郵送での手続きになり、電話やネットは「氏名変更をするので、変更届を請求したい」という時の連絡手段にしか使えません。
金融機関やクレジットカード、携帯電話に関しては、会社によって氏名変更の手続き可能方法が大きく異なるので、自分が所有しているものは、何に対応しているのかを良く確認することをおすすめします。
窓口 | 郵送 | ネット | |
---|---|---|---|
運転免許証 | ○ | × | × |
自動車・バイク | ○ | × | × |
金融機関 | ○ | △ | × |
クレジットカード | × | ○ | △ |
携帯電話 | ○ | △ | × |
保険(生命保険・損害保険など) | ○ | ○ | × |
公共事業サービス(電気、ガス、水道など) | × | × | ○(電話またはネット) |
プロバイダ | × | ○ | × |
ジム・習い事 | ○ | × | × |
ショッピングサイト | × | × | ○ |
▼職場で行なう手続き▼
□結婚届
□健康保険証
□年金手帳
□クレジットカード(法人)
→全て職場で手続きをしてもらいます。
※私の職場の場合は健康保険を提出するだけで、婚姻届受理証明書や住民票、結婚届の提出は必要ありませんでした。
お勤め先によって、自分が用意したり提出したりするものに違いがあるので、婚姻届の提出前に確認することをおすすめします。
▼戸籍謄(抄)本取得後に変更可能な手続き▼
窓口 | 郵送 | ネット | |
---|---|---|---|
パスポート | ○ | × | × |
郵送で手続きする場合、変更届を請求する
郵送で手続きする場合は、電話やネットから変更届(届出事項変更届)を請求します。
請求後、数日もすれば(2~3日後が目安)、登録した住所宛に変更届と返信用封筒が一式送られてきます。
必要事項を記入しておき、後は新旧氏名と現住所・生年月日が記載されている本人確認書類(またはコピー)を同封して郵送するだけの状態にしておけばスムーズです。
変更時に必要な書類や持ち物を確認する
氏名変更時に必要な書類や持ち物は、変更先によって違いがあります。
今回は「本人が氏名変更をする際に必要な書類」を紹介していますが、代理人が申請する場合は委任状などが別途必要になります。
職場で行なう手続きに関しては、職場によって「提出する書類は一切なし」と「結婚を証明する書類(婚姻届受理証明書)の提出が必要」というように対応が異なる(私の職場は前者、夫の職場は後者でした)ので、事前に必要な書類があるか確認しておくことをおすすめします。
必要書類 | |
---|---|
運転免許証 | 運転免許証、本籍記載の住民票 ※戸籍謄(抄)本は現住所が確認可能な郵便物や健康保険証と合わせれば利用可能 |
自動車・バイク | ▼自分で氏名変更を行なう場合 所有者=使用者:戸籍謄(抄)本または住民票、車検証など |
金融機関 | ▼ゆうちょ銀行の場合 通帳、証書、保管証、キャッシュカード、氏名変更届書(窓口)、お届け印、新氏名記載のある本人確認書類 |
クレジットカード | ▼楽天カードの場合 改姓改名申請書、本人確認書類(運転免許証の両面コピーor住民票or健康保険証の両面コピー) |
携帯電話 | ▼auの場合 auケータイ本体、(お届け印)、新旧の氏名が記載された本人確認書類(運転免許証or健康保険証or住民基本台帳カード) |
保険(生命保険・損害保険など) | ▼ソニー生命保険の場合 請求書類、新旧の氏名記載の公的書類(運転免許証、健康保険証、住民票の写し、パスポート、戸籍謄本など) |
公共事業サービス(電気、ガス、水道など) | 基本的に電話連絡でOK |
プロバイダ | ▼OCNの場合 承継・改称届、新旧の氏名が記載された本人確認書類(運転免許証or住民票or戸籍謄・抄本) |
ジム・習い事 | 窓口で規定の用紙提出、必要があれば新旧の氏名記載の本人確認書類 |
ショッピングサイト | ユーザー名変更のみで特になし |
パスポート | 有効期間内のパスポート、戸籍謄(抄)本、写真、一般旅券発給申請書など |
新姓のはんこ(認印)を用意する
新姓のはんこ(認印)は、各変更手続きの提出書類(変更届)に「新しいお名前(ご捺印)」の部分で使用する機会があります。
実際に私(『結婚準備のリアル』管理人)が新姓のはんこが必要になったのは「クレジットカード」と「生命保険」の提出書類でした。
変更届にはんこを押す欄があり、電話にて「[現在のお届け]にある(ご捺印)」と[新しいお名前]にある(ご捺印)」は、何のはんこを押せば良いのか?」を確認した所「現在のお届けには『旧姓のハンコ』、新しいお名前には『新姓のハンコ』で押してください」と言われました。
電話した当時は新姓のはんこを持っていなかったので「名前のはんこでも構わないか?」と質問した所「できれば新姓のはんこを押して欲しい」という回答だったので、慌てて用意しました。
結婚後に使う機会がある、はんこには「実印」「銀行印」「認印」の3種類あります。
▲結婚する女性に必要なハンコとは?用意すべき印鑑(実印・銀行印・認印)の種類と作り方
実印と銀行印は「名前のみ」で作ることが多く、銀行印は「旧姓のハンコをそのまま使用しても良い」という場合がほとんどなので、結婚後、姓が変わった時に新しく用意する必要があるのは認印になります。
今回のような書類に押す認印は浸透印※以外です。
※シャチハタ、スタンプ印、ゴム印など、朱肉が無くても何回も押せるタイプのはんこ
オーダーメイドを考えておらず、新姓が珍しい名字でなければ、印章店・はんこ専門店の他、ホームセンターや100円ショップで簡単に購入できます。文房具店や文房具売場では取り扱いがない(取り寄せになる)場合が多いです。
1,000円以内で購入可能なはんことしては「白ラクト」「黒ラクト」「黒檀(こくたん)」が代表的です。
▼金額の目安▼
ラクト(白・黒):300円~500円+税
黒壇:1,000円+税
認印の夫婦兼用は避け(紛失、盗難、なりすましなど、様々なリスクが高い)、各変更手続きを切っ掛けに新しく用意することをおすすめします。
役所など各窓口の開庁・営業時間を確認する
各窓口で必要書類の発行申請や変更手続きを行なう際は、開庁・開業の曜日と時間を確認しておくことが大切です。
特に役所、警察署、運転免許更新センター、旅券事務所(パスポートセンター)は、開庁・開業時間が夕方までだったり、昼は受付外だったりします。
必ず自分が訪れる予定の場所の開庁・開業の曜日と時間を確認&メモをしておき、当日のスケジュールや時間に合わせて効率良く回れるように、ざっくりとでも良いので計画しておきましょう。
婚姻届提出当日
婚姻届を提出する当日に必要なものは以下の通りです。
【婚姻届の提出・受理】
- 婚姻届
- 戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出する場合)
- 旧姓のハンコ
マイナンバー(通知カード・個人番号カード)については、住所地の役所で記載事項の変更を行ないます。
(詳しくは:婚姻届の提出時にマイナンバー(通知カード・個人番号カード)は必要?)
婚姻届提出当日に各窓口で氏名変更するものがあれば、その時に必要な物も合わせて用意しておきます。
例えば、ゆうちょ銀行の場合は、通帳やキャッシュカード、証書、お届け印など。
(詳しくは:【ゆうちょ銀行】結婚後の手続き、住所・氏名・届け印(印章)の変更方法まとめ)
郵送で手続きをするものも「後は運転免許証の両面コピーを入れればOK」の状態にして持っていけば、運転免許証の書き換え(氏名や本籍変更)後に運転免許証を両面コピーして、封筒に同封すれば、すぐに郵便ポストや郵便局の窓口で出せます。
忘れてはいけないのが「現金」です。
公的書類の発行には手数料(婚姻届受理証明書:1通350円、住民票:1通450円)、運転免許証などの両面コピーをする際はコピー代が掛かるので、念の為、財布の残金を確認しておきましょう。
婚姻届を提出・受理後「婚姻届受理証明書」を取得する
婚姻届を提出する曜日・時間が、開庁時間内であれば、婚姻届が受理されれば、その場で婚姻届受理証明書を発行してもらえます。料金は1通350円。
婚姻届受理証明書の主な使用目的は以下の通りです。
- 住民票の早期取得
- 勤め先に結婚したことを証明する為の公的書類
- 新旧の氏名が記載されている本人確認書類
- 失業保険の受給手続き
特に「住民票の早期取得」の目的で取得することが多いです。
婚姻届を提出した役所と住所地の役所が異なる場合は、新しい戸籍情報が反映された住民票が取得できるまでに1週間~10日ほどかかります。
そのタイムラグを埋めて、婚姻届提出後、すぐに住民票を発行してもらう為に必要になるのが「婚姻届受理証明書」です。
婚姻届受理証明書に関しては「会社への届出や住民票の早期取得に!婚姻届受理証明書の使い道と発行手続き方法」の記事で詳しく紹介しています。
婚姻届を提出する役所と住所地(住民票が取得できる)の役所が同じであれば、婚姻届受理証明書なしで発行してもらえます。
住民票を取得する
住所地の役所で住民票(の写し)を取得します。1通350円。
住民票は運転免許証の氏名・本籍変更時に欠かせない公的書類なので、一人1枚以上は確実に取得しておきましょう。
あわせて読みたい:結婚したら住民票はどうなる?入籍後に必要な変更手続きと取得方法
- 別々の住所に住んでいるが、結婚を機に同じ住所になる
- 結婚前に同棲をしており、住所は同じだが、世帯は別
という場合で、結婚後は世帯を一緒にするのであれば、住民票を取得する前に住民異動届(世帯変更届)を届け出て「世帯合併」を行ないます。
他にも通知カード、マイナンバーカードの氏名変更も合わせて行ないます。
あわせて読みたい:【通知カード】引っ越しで住所変更、結婚で氏名変更をする時の手続き方法
警察署などで運転免許証の記載を変更する
各氏名変更時の手続きには新旧の氏名が記載された本人確認書類(公的書類)が必要になります。
その時に最も使い勝手が良く、お金がかからないのが「運転免許証」なので、普段は全く運転しない人でも、真っ先に氏名変更しておきたい所です。
運転免許証の氏名・本籍変更だけであれば、住所地の警察署以外でも受け付けてくれます。
詳しい手続きに関しては「意外と簡単!引っ越し・結婚(入籍)後、運転免許証の氏名・住所変更手続き方法」で紹介しています。
車庫証明申請などは、車庫(車の保管場所)を管轄する警察署で行なう必要があるので要注意です。
コピー機で運転免許証を両面コピーする
郵送で氏名変更を行なう際、同封する本人確認書類として使う為に、コピー機で運転免許証の両面をコピーします。
コンビニのマルチコピー機には両面コピー機能があり、それを利用すると1枚の用紙に裏表が印刷できるので便利です(白黒で1枚20円)。
その際は「有効期限」「公安委員会の名称や公安印(○○公安委員会の部分)」がしっかり確認できるくらい鮮明なものが必要になります。
コピー機のスキャン具合によって、特に公安委員会の文字が鮮明だったり不鮮明だったりするので、両面コピーしたものが、印字がはっきりしていれば、それをコピーすることで、鮮明な運転免許証のコピーが2枚手に入ります。
2枚分を元手にコピーを繰り返していけば、少ない金額で多くの運転免許証の両面コピーが作れるので、必要な枚数分を用意できます。
「免許の条件等欄」「臓器提供意思確認」など黒く塗りつぶす必要がある部分は、忘れずに塗りつぶしておきましょう。
後は変更届などの書類が入った封筒に同封して、郵便ポストに投函したり、郵便局の窓口で出してもらったりすればOKです。
窓口や電話で氏名変更の手続き
直接、店舗の窓口で氏名変更する場合は、営業時間内に変更に必要なものを持参して手続きをします。
いずれの場合も新旧の氏名が確認できる本人確認書類が必要になるので、運転免許証の書き換え後に訪れることをおすすめします。
婚姻届提出後日
当日中にはできないこと、すぐに氏名変更が必要ないことに関しては、改めて後日に行ないます。
例えば、勤め先での氏名変更の手続きは、次の出勤日や指定された日に行なえばOKです。
手続き前に結婚に関する届け出に必要な書類や持ち物を聞いておき、必要となる公的書類(婚姻届受理証明書など)も取得することをおすすめします。たいていは「提出」になり、手元には戻ってきません。
健康保険証は返納を求められることが多いので忘れずに持参しましょう。
ちなみに健康保険証が無くても医療機関での受診は可能です。予約や受付の際に「結婚による氏名変更の関係で手元に健康保険証は無いのですが」と伝えておけば対応してくれます。
戸籍謄(抄)本の取得
婚姻届の提出の後日にしかできないのは戸籍謄本・戸籍抄本の取得です。
新しい戸籍が編纂されて、新しい戸籍謄(抄)本が発行されるまでに、約1~2週間かかります。
戸籍謄(抄)本が絶対に必要になるのは、一般的にパスポートの新規取得、有効期限内のパスポートの氏名変更や本籍変更くらいです。
ほとんどの氏名変更手続きは、新旧の氏名が確認できる運転免許証や住民票で行なえるので、海外旅行に出かける予定がなくパスポートの新規取得や記載事項変更を行なわないのであれば、特に取得する必要性はありません。
Webサービスの氏名(アカウント名)変更
インターネットのWebサービスで本名で登録しているものがあれば、アカウント情報の変更で氏名変更をしておきます。
- SNS(LINE、Facebookなど)
- ショッピングサイト(Amazon、楽天など)
- 映像配信サービス(Amazonプライム、Hulu、U-NEXTなど)
特に毎月お金が引き落とされるような月額制サービスを利用している場合は、登録した氏名と引き落とし先の名義が異なると、引き落とし不可になる可能性があるので(猶予期間は数ヶ月ほどあると思いますが)、早め早めに変更しておきましょう。
氏名変更をする緊急性や必要性が低いものに関しては、そのWebサービスを使用していて不便に感じた時にでも変えておけばOKです。
いかがでしたか?
結婚により名字が変わったことでの各変更はものすごく面倒で大変です……。
『結婚準備のリアル』管理人である私も主要な変更手続きが完了するまで半月~1ヶ月くらい掛かったので「何で私だけが大変な思いをしなければならないのか。夫婦別姓制度が可決にならなかったのは痛いなぁ」と思いながら、ちまちまとした手続きを行なっていました。
自分がどれだけ氏名変更で楽したり、時間短縮したりできるかは「事前の準備」にかかっているので、結婚前の一つの山場として、頑張ってみて下さい。