「婚姻届を役所の時間外や郵送で提出したので、その後、きちんと受理されて、法律上、夫婦になったのか知りたい」
「代理人に婚姻届の提出を頼んだが、本当に提出・受理されたのか心配」
「そろそろ結婚記念日(入籍日)が近いのだけど、何日だったか忘れてしまった」
という時に、婚姻届の受理の有無や入籍日を確認する方法を紹介します。
婚姻届受理証明書を取得する
婚姻届受理証明書は戸籍届出受理証明書の一つで、婚姻届を受理したことを証明する公文書です。
婚姻届受理証明書
【場所】婚姻届を提出・受理された役所
【時間】開庁時間内であれば婚姻届の提出・受理後、即時
【請求方法】窓口、郵送
【請求に必要なもの】
窓口:窓口へ来た人(請求者本人)の本人確認書類、委任状(代理人のみ)
郵送:戸籍証明等交付申請書、請求する人の本人確認書類の写し)、手数料、返信用封筒、委任状(代理人のみ)
【料金】1通350円
文章形式は各自治体によって異なりますが「○○○さんと△△△さんの婚姻届を、□年□月□日に受理しました」という内容が書かれています。
婚姻届受理証明書は、役所の業務時間内に婚姻届を提出して・受理された場合は、その場で取得することが可能です。
※土日祝、早朝、夜間など、業務時間外に婚姻届を提出した場合は、改めて業務時間内に取得の申請を行なう必要があります。
婚姻届受理証明書は、新しい戸籍が出来上がり、戸籍謄本・抄本が発行可能になるまでの間「戸籍謄(抄)本の代わり」として利用できるもので、
- 住民票の早期取得(本籍地と住所地が異なる場合)
- 失業保険の受給手続き(特定理由離職者)
- 結婚したことを会社に届ける
- パスポートの新規発給・変更手続き時に必要な戸籍謄(抄)本の代理
という場面に用いられます。
自治体によっては無料の「結婚証」を発行してくれる所もありますが、基本的には婚姻届を提出しても、特に何の証明書も渡してくれないので「結婚したことを、証明するものが欲しい」という場合は婚姻届受理証明書を取得した方が良いですね。
また婚姻届受理証明書には、賞状タイプの「特別婚姻届受理証明書(1枚1,400円)」もあります。
特別婚姻届受理証明書(賞状タイプ)
【場所】婚姻届を提出・受理された役所
【時間】申請後、数日~1ヶ月
【料金】1枚1,400円
一般的な婚姻届受理証明書とは異なり、即時発行は難しく、申請から数日~1ヶ月ほどの日数が必要になります。
B4サイズの賞状タイプで上質紙に印刷されているので、保管性が良く、披露宴会場のウエルカムボードとして使うだけでなく、将来的に「入籍日っていつだっけ?」「誰に証人を頼んだっけ?」と悩んだ時にも、賞状を取り出して見ればすぐに分かります。
婚姻届受理証明書について、詳しくは「会社への届出や住民票の早期取得に!婚姻届受理証明書の使い道と発行手続き方法」で紹介しています。
住民票を取得する
住民票とは、住所地(住民票に記載された住所、引越し時に転居・転入届を提出した)のある役所などで取得可能な「現住所の証明をする公文書」です。
運転免許証や車庫証明、車検証、賃貸契約、携帯電話、クレジットカード、失業保険受給などの各種手続き時に必要な書類なので、何かと使う機会が多いと思います。
婚姻届提出後、住民票の取得をする際に、婚姻届受理証明書があれば、すぐに発行してもらえます。
住民票には「入籍日(婚姻日)の記載が無い」ので、入籍日を知りたい時には不向きです。
【場所】住所地のある役所、支所の市民窓口課、出張所、証明書発行コーナーなど
【期間】婚姻届受理証明書があれば、即時取得可
通常は婚姻届の受理後、1週間~10日(目安)
【請求方法】窓口、郵送
【請求に必要なもの】
窓口:窓口へ来た人(請求者本人)の本人確認書類、委任状(代理人のみ)
郵送:住民票の写し等の請求書、請求される方の本人確認書類の写し、手数料(定額小為替)、返信用の封筒と切手、委任状(代理人のみ)
【料金】1通300円、350円
あわせて読みたい:結婚したら住民票はどうなる?入籍後に必要な変更手続きと取得方法
戸籍謄(妙)本を取得する
戸籍には「戸籍謄本(戸籍全部事項証明)」と「戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)」の2種類あり、両方ともに【婚姻日】と【配偶者氏名】が記載されています。
婚姻届受理証明書は「新しい戸籍ができあがるまで、戸籍謄(抄)本の代わりに利用される公文書」なので、婚姻届の提出・受理後、しばらくすると婚姻届は法務局に送られてしまうので、役所での取得が難しくなってしまいます。
その為、婚姻届を提出・受理した日から1~2ヶ月以上経っていて「入籍日を知りたい」という場合は、戸籍謄(妙)本を取得するのが最も確実な方法になります。
【場所】新本籍を管轄する役所、支所市民窓口課、出張所
【期間】通常は婚姻届の受理後1週間~10日(目安)
【請求方法】窓口、郵送
【請求に必要なもの】
窓口:戸籍関係証明書交付請求書、請求者の本人確認書類、委任状(代理人のみ)
郵送:戸籍関係証明書郵便請求書、請求者の本人確認書類の写し、手数料分の定額小為替、返信用封筒と切手、委任状(代理人のみ)
【料金】1通450円
婚姻届受理通知書が届くのを待つ
婚姻届の提出の際、届出人※の本人確認ができなかったり(例:一人だけで提出した、身分証明書を忘れたなど)、代理人に提出をお願いしたりしたときに、婚姻届の受理後、1週間程度で「婚姻届が提出されて、受理されました」という内容が書かれた「婚姻届受理通知書」が封書で届きます。
【場所】届出人の住所宛に届く
【期間】受理後1週間程度
【料金】無料
※婚姻届における届出人とは「結婚する本人(夫となる人、妻となる人)」の意味で、役所に婚姻届を持参・提出する人のことではありません。結婚する本人以外の人が役所に婚姻届を持参・提出する場合は「使者(代理人)」になります。
婚姻届受理通知書が届くケースは以下の通りです。
届出時の確認状況 | 通知する相手 |
---|---|
届出人が届出書を持参し、届出人の一部について本人確認ができなかったとき 結婚する本人が婚姻届を提出して、どちらかが本人確認できなかった(例:身分証明書を忘れた、一人だけで提出したなど)時 |
本人確認ができなかった、結婚する本人 |
届出人が届出書を持参し、届出人のすべてについて本人確認ができなかったとき 結婚する本人たちが婚姻届を持参して、結婚する本人たちの両方が本人確認ができなかった(例:身分証明書を忘れたなど)時 |
すべての届出人 結婚する本人の両方 |
使者が届出書を持参したとき 代理人が婚姻届を持参した時 |
使者本人の確認の有無にかかわらずすべての届出人 代理人の本人確認の有無に関係なく、結婚する本人たち |
勤務時間外に届出人又は使者が届出書を持参したとき 提出した人が誰かに関係なく、役所の業務時間外に婚姻届を提出した時 |
すべての届出人 結婚する本人たち |
郵送により届出書が提出されたとき 婚姻届を郵送で提出した時 |
すべての届出人 結婚する本人たち |
「結婚する本人たちが、2人揃って婚姻届を提出した。身分証明書も忘れずに持参した」という場合は、婚姻届受理通知書は来ないので注意して下さい。
婚姻、協議離婚、養子縁組、養子離縁、認知の5つの届出(以下「婚姻等の届出」といいます。)について、戸籍の窓口に来られた方の「本人確認」を必ず行うことになります。そして、届出のご本人であることの確認ができなかった場合には、確認できなかったご本人(届出人)に対して、「婚姻等の届出」が受理されたことを、届出人の住所地に郵送等により通知することになります。
【一般的な手続の流れ】
(1) 窓口で本人確認ができた場合
市区町村役場に届出 → 本人確認完了 → 書類審査 → 受理決定
(2) 窓口で本人確認ができなかった場合(郵送による届出を含む)
市区町村役場に届出 → 書類審査 → 受理決定 → 届出人に通知書発送
親の入籍日が知りたい場合は?
何らかの事情があり「親の入籍日(婚姻日)が知りたい」という場合は、以下の方法が利用できます。
【親本人が請求する】
自分の戸籍謄本・抄本を請求する
【子どもが請求する】
未婚者:自分の戸籍謄本を請求する
既婚者:代理人の形で親の戸籍謄本・抄本を請求する
戸籍謄本・抄本は、本人、配偶者、直系尊属・卑属(父母、祖父母、子、孫など)、その戸籍に記載のある方が請求できます。
親の戸籍謄本・抄本は、どちらにも【婚姻日】の記載があり、親本人や子どもが代理人として請求する場合は、どちらを請求しても構いません。
子どもが未婚者の場合、親の戸籍に自分が入っているので(結婚をすると除籍になり、配偶者との新しい戸籍が作られる)、戸籍に入っている全員の事項が記載された「戸籍謄本」を取得することで、親の【婚姻日】が分かります。
いかがでしたか?
婚姻届の受理の有無や婚姻日(入籍日)を確認したい場合は、役所から婚姻届受理通知書が届けられる以外は、自分たちで手続きをして知る他ありません。
役所から婚姻届を受理したことを知らせる電話は無く(婚姻届に訂正箇所があった場合のみに電話あり)、役所に電話して受理の有無を確認したりはできません。
後々の面倒ごとを避けるためにも、婚姻届の提出・受理後は合わせて「婚姻届受理証明書」を取得しておくことをおすすめします。