結婚を決意したカップルの半数以上がなると言われる「マリッジブルー」。
今まで夢物語的だった「結婚すること」が現実的な話になると、不安や葛藤が起こるのは、非常に当然のことです。
そんな時に、相手(男性が多いです)が「考え過ぎ」「そんなに思いつめなくても良いのに」と軽くあしらってしまうと、マリッジブルーを乗り越えられず、不安定な状態が続くと、本格的なうつ病や婚約破棄に繋がってしまうことも……。
今、マリッジブルーになっている人(または相手がなっている人)は「なぜ自分(相手が)が落ち込んでいるのか?」の原因を探り、解決策を見つけることが、解消への大きな一歩になります。
目次
マリッジブルーの主な症状
マリッジブルーの症状は「抑うつ状態」とも似ています。
全ての人に同じ症状が出る訳ではありませんが、主に体感しやすい症状をまとめてみました。
【精神面】
●不安感が消えず、落ち着かない
●自分や相手などに対して不満感が増す
●気分が落ち込む、憂鬱な気分になる
●イライラする、自暴自棄になる
●結婚すること対して意欲がなくなる、迷いを覚える
【身体面】
●食欲がないor食欲が止まらない
●物を食べたり飲んだりすると気持ち悪くなる
●眠りが浅い、寝付きが悪い
●頭痛や腹痛、胃痛など、体の部位に「痛み」を感じる
●持病が悪化する
【相手に対する態度】
●怒りっぽく、喧嘩腰の口調になる
●そっけない、冷たい態度をとる
●愚痴や泣き言が多くなる
●元気がなく、弱々しい
●感情的になり、途中で泣き出す
●パニックやヒステリーを起こす
●結婚や結婚準備、新生活に関する話を避けたがる
●相手と会いたくなくなる。別の人に惹かれる
マリッジブルーになる時期で多いのは、以下の時期です。
- プロポーズ直後
- プロポーズの感動が落ち着いた後
- 結婚準備が始まった頃からピーク頃
- 同居を始めた頃
- 親への挨拶や親戚を紹介された頃
- 婚姻届を提出する直前
比較的「結婚準備が始まった頃」が強く感じやすいのですが、何が切っ掛けでマリッジブルーになるのかは本当に人それぞれなので、中には「この時にマリッジブルーになるとは思わなかった」という人もいます。
ちなみに男性の場合は「プロポーズ前」が多いと言われますね。
「相手から結婚を断られるのではないか?」「自分が家庭を持っても大丈夫なのか?」「相手を養っていけるのだろうか?」という心配は女性よりも大きいものです。
【「結婚準備のリアル」管理人の場合】
私の場合は「友人に結婚報告をした後」にやってきました。(理由は後述)
新居に引っ越す1ヶ月前、入籍をする3~4ヶ月前、挙式をする半年前に当たる時期です。
環境が大きく変化することへの不安感
マリッジブルーになる理由の大半はストレスによるものです。
男性よりも女性の方がマリッジブルーになりやすいのは「結婚することで女性の方が生活環境が大きく変わるから」です。
- 慣れ親しんできた自分の名字が変わる
- 家族と住んでいた実家を離れて暮らすことになる
- 結婚や引っ越しで、働き方が大きく変わる(退職や転職など)
- 仕事と家事の両立をする必要がある
- 二人の生活の要となる家計管理を自分がすることになる
- 相手の両親に「良い嫁」と思われないといけない
など、男性は「普段の生活の延長線上に『結婚』という一過程がある」くらいしか思わないのに対して、大きく環境が変わる女性は感じる不安やプレッシャーも大きくなりやすいものです。
ストレスチェックで良く利用されるものに「ホームズ・ラエ(またはレイ)のストレス表」があります。
この表は「配偶者の死」を最もストレスを感じる100として、それぞれのライフイベントごとの項目を点数化&ランキング形式にまとめたものです。
1967年にアメリカで発表されたものなので、現在の私たちに完全に当てはまるとは言いにくいのですが、結婚に関連して起こる変化については「ストレスを強く感じやすい」ということが分かります。
順位 | ライフイベント | 点数 |
---|---|---|
1 | 配偶者の死 | 100 |
2 | 離婚 | 73 |
3 | 夫婦の別居 | 65 |
4 | 犯罪による収監 | 63 |
5 | 近親者の死 | 63 |
6 | 本人の怪我や病気 | 53 |
7 | 結婚 | 50 |
8 | 失業・リストラ | 47 |
9 | 夫婦の和解 | 45 |
10 | 退職 | 45 |
11 | 家族の健康問題 | 44 |
12 | 妊娠、出産 | 40 |
13 | 性生活のトラブル | 39 |
14 | 家族の増加 | 39 |
15 | 仕事上の大きな変化 | 39 |
16 | 経済苦 | 38 |
17 | 友人の死 | 37 |
18 | 配置転換・転勤 | 36 |
19 | 夫婦喧嘩の回数の変化 | 35 |
20 | 返済困難な借金 | 31 |
21 | 貸したお金が返ってこない | 30 |
22 | 仕事の責任の変化 | 29 |
23 | 友人の死 | 37 |
24 | 子供が家を出る | 29 |
25 | 親戚とのトラブル | 29 |
26 | 配偶者の就職、離職 | 26 |
27 | 入学・卒業 | 26 |
28 | 生活環境の変化 | 25 |
29 | 趣味や習慣を変える | 24 |
30 | 上司とのトラブル | 23 |
31 | 労働時間・条件の変化 | 20 |
32 | 転居 | 20 |
33 | 転校 | 20 |
34 | 余暇の過ごし方の変化 | 19 |
35 | 社会活動の変化 | 19 |
36 | 宗教活動の変化 | 18 |
37 | 借金(返済できる額) | 17 |
38 | 睡眠時間の変化 | 16 |
39 | 家族の親密度の変化 | 15 |
40 | 食生活の変化 | 15 |
当てはまる項目が多ければ多くなるほど、ストレス数が高くなるので「マリッジブルーになるのは仕方がないことだ」と認めてしまった方が「後は、どうやって向き合うのか?」と前向きに考えていきやすくなります。
自由さがなくなることへの不安
一緒に暮らしたり、結婚したりすることで「自由に使える時間やお金、同性や異性との交友関係が失われてしまったり、狭まったりしてしまうのではないか?」とは、誰しもが思うことです。
特に今まで一人暮らしで悠々自適に過ごしていると、好きな相手とは言え「一緒に生活する」「結婚して家族になる」ことになると、どうしても不自由さを感じてしまいます。
「自由さがなくなることへの不安」は男女どちらとも抱きやすい感情だと思います。
その中で「女性は結婚後は家庭に入り、夫や家族のために尽くすものだ。自分の時間などない。夫の言うことは絶対的で従うものだ」という考え方がどこかにあれば、結婚することに対する不安感がより増してしまいます。
相手への不安・不信感
今までは「恋人」「彼氏」として見てきた相手が「夫」「旦那」になることに対して
本当にこの人と結婚して良いのだろうか?
と思い悩むことも、マリッジブルーになる大きな切っ掛けになります。
マリッジブルーはお見合い結婚よりも恋愛結婚の人がなることが多いのも「恋愛と結婚」が関わっていると言えますね。
特に過去にお付き合いをしていた相手がいれば、どうしても比べてしまうものです。
また結婚に対する相手の
- 結婚式や新居の準備にあまり乗り気ではない
- 相手の親が結婚について何かと言うので憂鬱なのに、防御壁になってくれない
という態度もストレスになり、それが積み重なっていく内にマリッジブルーになる人も少なくありません。
結婚することを改めて考えた時に不安になった
これは私、「結婚準備のリアル」管理人の体験談です。
結婚報告を友人にした時、私の結婚に至る経緯を聞かれたので、正直に答えた所、
「『一緒に暮らす為』という目的で、結婚することに疑問はないのか?普通は同棲してから結婚を決めるものでは?」
「相手から結婚する意思についてきちんと確認したのか?プロポーズの言葉はあったのか?」
「結婚に対してなあなあに考えていないか?相手や相手の親に流されるまま結婚しようとしていないか?」
など、色々と突っ込んだ質問をされたのが、マリッジブルーになる大きな引き金になりました。
他の友人からは「そうなんだ。おめでとう」「相手はどんな人なの?」くらいしか反応がなかったので、結婚への意識に対する根本的な部分を、改めて問われた時に「え、そう言えば、どうなんだろう?」と。
その時はお酒が入っていたこともあり、相手の言葉や結婚を約束した経緯が正確に思い出せず「私は納得した上で結婚しようとしていたけど、全部、根本から間違っていたのでは?」「同棲して結婚したら、もう友達とこんな風に会えなくなるのでは?」と次々に疑問や不安なことが浮かんだ結果、その晩から「結婚しない方が良い?」と思うようになり、あっという間にマリッジブルーになりました……。
マリッジブルーの改善策
マリッジブルーの解消法は「結婚、将来、相手のことなど、数々の不安に対して、どう向き合っていくか。向き合わないでいるか」にあるように思います。
不安事について考え過ぎない
不安要素にばかりずーっと考えてしまうのは、心身ともに良くありません。
基本的にマリッジブルーは時間が経つとともに解消されるものなので「彼と結婚したい」という気持ちが揺るぎなければ「杞憂」と流してしまうのも一つの方法です。
また結婚や結婚準備と全く関係ない、好きなことをするのも良いですね。
今の独身という立場だからこそできる「結婚したらできなくなりそうなこと」に挑戦してみるのもアリです。
別のこと集中することで、結婚について考えることを止められたら、ちょっと気分が楽になります。
結婚や挙式日が近付くにつれて、何でも「結婚一色」になってしまうので「結婚準備と何も結び付かないデートをする」「『結婚』や結婚に関するキーワードを一切出さずに会話をする」という過ごし方も効果的です。
親や友人に話を聞いてもらう
マリッジブルーになると、人と話すことも億劫になってしまうのですが、何でも自分で溜め込んでしまわず、親や友人に愚痴ったり、相談したりしてみると、気分がすっと楽になるものです。
すでに結婚している人が身近にいれば、結婚前後の時の話をしてもらうのも、参考になると思います。
「今は忙しい時期だろうから」と連絡を控えてしまうものなので、自分から連絡を取ってみましょう。
その際に重要なのが同性の友人に話を聞いてもらうこと。
「マリッジブルーで気分が落ち込んでいる時に、優しく話を聞いてもらった男友達と浮気をしてしまった」というのは、意外にもある話らしいので、そのような過ちを犯さないためにも、相談する相手は良くよく選びましょう。
いつも通りの生活を心がける
精神的に不安定な時は、本当に何もかもやる気が起こらないものです。
そんな時だからこそ「えいやっ!」と思いながら、いつも通りの生活を送れるように心がけます。
- 決まった時間にご飯を食べる
- きちんとお風呂に入って寝間着に着替える
- 部屋をきれいに保つ、散らかったら片付ける
- 洗濯をして清潔な服を着る
- 夜更かしせずに寝る
- 部屋に引きこもらず、外に出る
など、当たり前のいつも通りの行動をすること。
「アレもできてない、コレもできてない。あぁ私って本当にダメなやつだから、彼を幸せにしてあげられない……」という負のループを断ち切るきっかけを作るのは、自分自身の行動にあるのです。
相手ときちんと向き合い、話し合う
一番のマリッジブルー解消法は相手に「今、自分が思っている不安なこと」を正直に伝えること。
話し合い、互いの考えや気持ちを確認し合うことで、安心感が生まれれば、マリッジブルーの原因の根本である「不安感」に打ち勝つことができます。
もちろん、相手がマリッジブルーになっていたら「きちんと対応すること」を心がけてみてくださいね。
【結婚準備のリアル管理人の場合】
実際に私にとって最も効果があったのが「相手と話し合う」ことでした。
「将来、夫婦別姓制度が制定されたら、旧姓に戻すという可能性もあることを理解してほしい」
「今の年齢や親とか世間体とかで、結婚を決めようとしていないか?」
「私と結婚して後悔はしないか?」
など、不安なこと、今のうちに言っておきたいことを、思いつく限り全部言ったように思います。
その後の相手の言葉を聞いて「これからも一緒に居るなら、やっぱりこの人だな」「あぁ、この人と結婚しても後悔はないな」と思い、それからウソのようにマリッジブルーが無くなりました。
いかがでしたか?
初めての結婚は何かと戸惑うことが多く、不安になることは仕方ありません。
夫婦になれば、今後、さらに色々な難題や困難を乗り越えなければいけないので、マリッジブルーは「結婚することによって、二人が出会う初めの困難」として二人で向かっていってみてください。