婚姻届の提出時に必要な戸籍謄本とは?取得方法と戸籍抄本や住民票との違い

婚姻届と戸籍謄本

婚姻届を提出する予定の役所が、結婚前の本籍地と異なる場合は、戸籍謄本(こせきとうほん)・全部事項証明の提出が必要になります。

役所によって提出書類が「戸籍謄本(全部事項証明)」ではなく「戸籍謄(抄)本=戸籍謄本・戸籍謄本」と記載がまちまちなことがありますが、迷うのであれば「戸籍謄本」を取得すれば確実です。

各自の本籍地と婚姻届の提出先の役所がどこかによって、必要になる戸籍謄本が異なります。

▼男性と女性の本籍地が同じ場合
・本籍地の役所に提出する→戸籍謄本は不要
・本籍地以外の役所に提出する→両方の戸籍謄本が必要

▼男性と女性で本籍地が異なる場合
・互いの本籍地以外の役所に提出する→両方の戸籍謄本が必要
・男性の本籍地の役所に提出する→女性の戸籍謄本が必要
・女性の本籍地の役所に提出する→男性の戸籍謄本が必要

婚姻届の提出・受理後「新しい本籍」に記載した役所にて、新しい戸籍が編纂されます。新しい戸籍での戸籍謄本・抄本は約1~2週間後に発行が可能になります。

戸籍謄本とは?

戸籍謄本(2の1)

戸籍謄本(2の2)

戸籍謄本とは「戸籍の原簿※に記載されている事項の全部を証明した書面(戸籍に記載されている全員の事項を写した書面)」です。具体的な内容は以下の通りです。

※原簿(げんぼ):「写し」でない元の帳簿。原本。

本籍
戸籍事項
戸籍改製
【改製日】
【改製事由】
戸籍事項
更生
【更生日】
【更生事由】
【従前の記録】
筆頭者の氏名
戸籍事項
戸籍に記載されている者
【名】
【生年月日】
【配偶者区分】※両親のみ記載あり
【父】
【母】
【続柄】
身分事項
出生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【送付を受けた日】
【受理者】
身分事項
婚姻※両親のみ記載あり
【婚姻日】
【配偶者氏名】
【従前戸籍】

結婚前の戸籍謄本に記載されているのは「両親、未婚の兄弟姉妹、自分」です。
A4用紙で発行されて、戸籍に記録されている人数が多いと枚数も増えます(1枚目が両親、二枚目が兄弟姉妹や自分……)が、料金(発行手数料)は一律で1通450円で変わりません。

戸籍抄本・住民票との違い

戸籍とは「出生」「氏名」「婚姻(配偶者)」「子」など、親子や婚姻関係などを証明する公的なものです。

戸籍謄本(全部事項証明)と戸籍抄本(個人事項証明)の違いは「誰の事項を記載したものなのか」です。

戸籍抄本

戸籍に入っている全員の事項を写したもの→戸籍謄本(全部事項証明)
戸籍に入っている一人分の事項を写したもの→戸籍抄本(個人事項証明)

※戸籍謄本・抄本のどちらにも本籍と筆頭者氏名は記載されています。

住民票(住民基本台帳)とは「現在、住んでいる所」や「以前、住んでいた所」を記載した書面のことです。

住民票

基本項目は「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「前住所」など。

他にも「世帯主の氏名」「世帯主との関係」「本籍地」「戸籍の筆頭者」も記載が可能ですが、父母の氏名や続柄、出生地、届出日、届出人などの記載はありません。

住民票は「現住所の証明」に使用できるもので、戸籍謄本や抄本とはまた異なるものです。

記載内容 取得方法 手数料(料金) 使い道
戸籍謄本(全部事項証明) 戸籍に記載されている全員の事項 本籍地の役所(窓口・郵送) 1通450円 パスポートの各申請(全員分)など
戸籍抄本(個人事項証明) 戸籍に記載されている個人(1人分)の事項 本籍地の役所(窓口・郵送) 1通450円 パスポートの各申請(1人分)など
住民票 氏名、生年月日、住所、前住所 住所地の役所(窓口・郵送) 1通350円 運転免許証など各住所変更手続き

戸籍謄本の取得方法

戸籍謄本の取得には、戸籍の原簿のある本籍地の役所や出張所、地区センターなどで交付請求をする必要があります。

本籍地とは「戸籍が保管されている市区町村」のことです。

例えば、自分の本籍地が「東京都千代田区丸の内1丁目9−1」にある場合、千代田区役所と各出張所(麹町出張所、富士見出張所、神保町出張所、神田公園出張所、万世橋出張所、和泉橋出張所)にて証明書の発行が行なえます。

自分の本籍地が「A県B市」であれば、B市の各役所や出張所、地区センターなどで申請が可能です。

戸籍謄本の取得には「窓口で申請」と「郵送で申請」が利用できます。

窓口申請

【請求できる人】
本人、配偶者、直系尊属・卑属(父母、祖父母、子、孫等)、その戸籍に記載のある方
※請求できる方から依頼された代理人による請求も可能です

【請求に必要なもの】
・本人確認書類(代理人の場合、代理人の本人確認書類)
1点:運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民基本台帳カード(顔写真の貼付されたもの)、療育手帳、身体障害者手帳等官公署が発行した身分証明書で写真を貼り付けたもの
2点(ア+アまたはア+イを組み合わせる)
ア:健康保険証、年金手帳、公的年金証書、住民基本台帳カード(顔写真のないもの)、敬老乗車証、生活保護受給者証明書等官公署が発行した本人確認書類
イ:学生証、社員証など
・戸籍関係証明書郵便請求書(役所にあります)
・代理人の場合、請求できる方からの委任状
【手数料(料金)】
1通450円

郵送申請

【請求できる人】
本人、配偶者、直系尊属・卑属(父母、祖父母、子、孫等)、その戸籍に記載のある方
※請求できる方から依頼された代理人による請求も可能です。

【請求に必要なもの】
・請求者の本人確認書類のコピー(代理人の場合、代理人の本人確認書類のコピー)
運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、健康保険証、療育手帳、身体障害者手帳など、官公署が発行した身分証明書で住所が確認できるもの
※免許証等に裏書がある場合は、裏面の現住所が確認できる部分のコピーも必要です。
・戸籍関係証明書郵便請求書(各役所のWebサイトからダウンロード可能)
・手数料分の定額小為替
・返信用封筒(宛先を記載したもの)と切手
・代理人の場合、請求できる方からの委任状

【手数料(料金)】
1通450円

本籍地が分からない時の調べ方

戸籍謄本の取得には、戸籍の原簿のある本籍地の役所で交付請求を行ないますが、戸籍証明書等交付請求書には[本籍]と[戸籍筆頭者]を記入する欄があります。

本籍と戸籍筆頭者が分からないと、戸籍謄本の請求ができません。
自分の本籍地や戸籍筆頭者が分からない場合は、以下の方法で調べることができます。

親や兄弟に確認する

自分が未婚であれば、親や未婚の兄弟姉妹と同じ戸籍に入っているので、本籍も同じになります。

その為、自分の本籍地を知りたい時は親兄弟に確認するのが最も手っ取り早いと思います。

戸籍筆頭者は「父または母」で、父の氏を選んでいれば[父親]、母の氏を選んでいれば[母親]が戸籍筆頭者になります。

誰かが本籍地の役所近くに住んでいれば、代理申請を頼んで、戸籍謄本を代わりに請求してもらうことも可能ですね。

ちなみに、両親が離婚している場合は、戸籍の筆頭者が父親(名字が父の氏)だと離婚届で除籍されるのは母親のみで、子どもの戸籍筆頭者は「父親」のまま変わりません。

子どもの戸籍筆頭者が母親になるのは「入籍届」という届け出を行なった場合です。

以前の運転免許証で確認する

平成22年(2010年)以前の運転免許証には、表面の住所の上に「本籍地」の記載がありました。

※ICカード免許証の全国導入に伴い、個人情報保護の観点から、現在は本籍地の記載は削除されています。

運転免許証の更新は3年または5年に1回なので、前回以前の運転免許証をお持ちであれば、本籍地が記載されていると思うので、そちらで確認できます。

免許更新センター、運転免許試験所、警察署で確認する

免許更新センターや運転免許試験所、警察署で、運転免許証の住所変更や更新の手続きを行なう際に使える方法です。

各所に設置されている「ICカード免許証読み取り端末」に運転免許証をかざして、運転免許証の交付の際に設定した暗証番号(8つの数字)を入力すると、本籍地が確認できます。

入籍前に「引っ越して住所が変わった」や「更新手続きが必要になった」という場合は、利用してみる価値ありです。

以前発行した戸籍謄(抄)本・住民票を確認する

過去に戸籍謄本や戸籍抄本、住民票を発行したことがあり、手元にあるならば、それで本籍地が確認できます。

引っ越しの際に住所は変更しても、本籍地まで変更することは、ほとんど無いので、過去の戸籍謄本や戸籍抄本、住民票でも大丈夫です。

戸籍謄本・戸籍抄本は「発行されてから3ヶ月または6ヶ月以内」の使用期日があるので、婚姻届の提出書類として、その戸籍謄(抄)本使えるかどうかは発行日によります。

「本籍入り」の住民票の写しを取得する

住民票

最も確実に本籍地を確認するには、住所地の役所で「本籍入りの住民票の写し」を取得することです。

住民票の写しでは「世帯主名・続柄」「本籍・筆頭者」「変更事項」の項目は原則省略されるので、忘れずに「本籍・筆頭者」に丸をしましょう。

賃貸契約の際に、住民票の提出が必要になる場合も多いので、その時に「本籍・筆頭者」を入れた住民票を発行すれば、無駄がありません。

良くある質問

婚姻届と戸籍謄本について、良くある質問を役所の戸籍課の方に訊いてみました。

希望の入籍日があるけど、戸籍謄本が間に合わない!提出は後日でも良い?

大丈夫です。

「婚姻届の提出・受理日=入籍日」なので、後日、戸籍謄本を提出した日が入籍日になる心配はありません。

戸籍謄本を一緒に提出しないと、何が困るの?

婚姻届は受理されますが、婚姻に際しては、戸籍謄本を通して本籍地と連携を取りながら、婚姻に差し支えないか否かを確認して事務処理を進めていくので、戸籍謄本が無いと、新たな戸籍を作ったり、その他の事務処理は滞ります。

後日提出の場合は、どこに何日以内に提出が必要になる?

提出先は婚姻届を提出した役所です。

明確な期日はありませんが、戸籍謄本を提出しない限り、事務処理が滞ることを考えると早ければ早い方が良いです。

戸籍謄本が後日提出でも、婚姻届を提出したのが、開庁時間内であれば、住民票や婚姻届受理証明書の交付はしてもらえる?

交付されません。

まとめ

婚姻届を提出する予定の役所が、結婚前の本籍地と異なる場合は、戸籍謄本(こせきとうほん)・全部事項証明の提出が必要になります。

婚姻届を受理した役所は提出された戸籍謄本を通じて、本籍地の役所とやり取りを行なっていくので、戸籍謄本が無いと事務作業が滞ってしまい、新しい戸籍を編成することができません。

その為、後日、戸籍謄本を提出するまで、住民票や婚姻届受理証明書の発行ができなかったり、戸籍謄・抄本が発行できるまでの日数が増えたりします。

「戸籍謄本は無いけど、どうしても◎日に婚姻届を提出したい」という場合以外は、後々の手続きが遅くなることを考えると「婚姻届と戸籍謄本は一緒に出す」のが、最も手間がありません。

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