引越しや結婚による印鑑登録の手続き方法

実印

自動車の登録やローン契約、不動産取引、遺産相続の手続きなどを行なう際に必要になるのが「印鑑登録証明」です。

印鑑登録証明書の取得には「印鑑登録」が必要になり、印鑑登録は住民登録地の役所で行ないます。

結婚後は、自動車の購入や夫婦共同の住宅ローン契約、不動産(一軒家、マンション、土地)の売買など、多額の金銭が取り引きされる契約をする機会も増えるので、結婚を機に印鑑登録をする人が多いです。

また既に印鑑登録を済ませていても、引越しや氏名の変更により、新しく印鑑登録を行なう必要性が出てきます。

今すぐ印鑑登録証明が必要になる機会は少ないと思いますが、引越しや結婚に合わせて行なう各種変更手続きと同時に済ませておけば、後々楽ですね。

【印鑑登録の手順】
1.印鑑登録をするハンコを用意する。
2.必要書類(身分証明書、手数料)を用意する。
3.住所地の役所で印鑑登録の手続きをする。

印鑑登録をするハンコを用意する

女性と印鑑

実印は重要度が高く、偽造されると困るものなので、実印を取り扱う印鑑屋さんで作成したハンコを使うことをおすすめします。

印鑑屋さんで「印鑑登録に必要な印鑑(実印)を作りたい」と言えば、問題なく対応してくれます。

実印として登録可能な印鑑の条件は以下の通り。

  • 印影(ハンコを紙に捺印したもの)の大きさが1辺8mm~25mmの正方形に収まる
  • 丸や楕円形、四角、長方形など、形に制限は無し
  • 住民票に記載された氏名、名、氏と名の一部を組み合わせたもの

一般的に同字として印刻に常用されているものは登録できるので、戸籍上は旧字でも実印は新字にしても大丈夫です。例:﨑→崎、國→国、澤→沢など。

値段は印材(印鑑の素材)やサイズ、掘り方、作成日数などで大きく異なり、1本2,000円前後から数万円するものまで、かなり金額に幅があります。定番の実印であれば10,000~20,000円もあれば、納得のいくものが作れると思います。

印鑑登録できない印鑑の特徴

銀行印や認印としては使えても、実印としては使えない(印鑑登録ができない)印鑑もあります。

  • 他の人が既に同じ印鑑を登録済み
  • 印影が規格外
  • 印影が不鮮明
  • 文字が切れている
  • 外枠がない
  • 住民票に登録されている本名以外(通名や芸名、ペンネーム、屋号など)
  • 職業や資格、その他氏名以外の事項(生年月日やキャラ入りなど)が載っている
  • ローマ字で作っている
  • 極端な図案化で本人の氏名と認めにくい
  • ゴム印やプラスチックなど変形しやすい素材を使っている
  • 三文判など大量生産された既製品

印鑑屋さんで「実印を作りたい」と頼んだハンコであれば大丈夫ですが、手持ちのハンコで印鑑登録をする際は注意が必要です。

男性は「フルネーム」、女性は「名前」が無難

登録可能な印鑑は「住民票に記載された氏名、名、氏と名の一部を組み合わせたもの」であれば良いのですが「本人を証明する」や「偽造防止」の観点から考えるとフルネームが最も安心です。家族や親戚内での取り間違えの心配もありません。

ただし女性の場合は、フルネームや名字で印鑑登録をすると、離婚や再婚の際に名字が変わると、新たに実印を作り直して、再び印鑑登録を行なう必要が出てきます。その為、銀行印と同じように「名前のみ」の実印を作成した方が良いです。

名前がひらがなでも、書体を「篆書体」や「印相体・吉相体」にすれば、漢字と代わり映えしない印章が作れます。

印鑑の書体

実は夫婦共有できるけど……デメリットばかり

悩む二人

「一つの印鑑に対して、印鑑登録は一つまで」が原則なので、同一世帯で同じ印鑑は登録できません。

一つの印鑑で夫婦2人分の印鑑登録を同時に済ませようとしても、役所の窓口で断られてしまいます。
その為、名字が同じ夫婦でも別々の印鑑が必要になります。

ただし実印が名字のみであれば、夫婦別々に役所を訪れて、印鑑登録をすれば一つの印鑑でもできてしまいます。
「持参した印鑑が、既に印鑑登録されているかどうか」は調べない為です。

「実印は高いし、使う機会も少ないのだから、共有しても問題ないのでは?」と思ったら、大間違い。
同じハンコを共有して印鑑登録をするのは、別々よりもリスクが大きくなります。

【夫婦共有名義で購入や契約をする際、同じ実印は使えない】
結婚後は夫婦の共有名義で、 
・自動車の購入、共有登録
・不動産(マイホーム、土地など)の購入
・住宅ローン契約
・金融機関で融資を受ける
などを行なう場合、実印が必要になります。

もちろん「一つの印鑑に対して、印鑑登録は一つまで」が原則なので、実印の書体が篆書体や印相体・吉相体で読みにくいとしても、印章が全く同じであれば「同じ印鑑を使っている」と直ぐに分かってしまいます。

実印の共有は可能だが、実際に使う時には不都合が多いので、やはり別々の印鑑を用意した方が良いですね。


【本人になりすました悪用が簡単にできる】
実印は夫婦それぞれ管理していると思いますが、実印が同じだと本人になりすまして、相手の名義で「多額のお金を借りる」「不動産や自動車を購入する」「借金の連帯保証人になる」なども簡単にできてしまいます。

後々になって悪用が発覚して、警察や裁判沙汰になった際などに「同じ印鑑を共有していた為に悪用された」というのは、非常に面倒な事態しか招きません。

名字のみの印鑑登録は字体に注意

同じ名字の印鑑2つ

実印の場合、男性は「フルネーム」、女性は「名前だけ」で作成することが多いのですが「名字のみの印鑑2本を登録したい」という場合もあると思います。

印鑑によっては字体が似ており、名字のみ&同じサイズだと「双方の見分けが付かない」として、後から申請した方の印鑑の登録が却下される可能性があります。

また名字のみ&同じサイズだと、後々「夫と妻、どちらの実印だっけ?」なんて混乱を招く事態も考えられます。

名字のみで実印を作る場合は「字体や書体が違うようにして欲しい」や「男性は16.5mm、女性は15mmのサイズで」とリクエストすれば、柔軟に対応してくれると思います。

今から新しく実印を作ろうと思っていて、相手が実印を持っていたり、印鑑登録を済ませていたりする場合は、既にある実印とは違うものになるように作成することをおすすめします。

面倒なトラブルを回避する為にも、すぐに差異が分かる印鑑にしておいた方が良いですね。

実印は銀行印と併用しても良い?

通帳と銀行印

実印と銀行印は分けた方が安心です。もちろん、認印とも分けましょう。

兼用にすると、偽造や紛失・盗難時のリスクが高まります。

既に銀行印や認印は持っており、新しく実印を作る場合は、サイズを「実印>銀行印>認印」にすると、印章を見なくても大きさで何の用途で使うハンコか一目瞭然になるのでおすすめです。

印鑑登録手続き

1.住民登録をしている役所の窓口や出張所へ行く
2.窓口に備え付けの「申請書」に必要事項を記入する。
3.申請書と印鑑登録したいハンコ、本人確認書類を窓口に提出。
4.登録が完了。

印鑑登録に必要なものは以下の通り。

  • 印鑑登録したいハンコ
  • 本人確認書類
  • 手数料(200円)、印鑑登録証明書は1通300円

代理人が印鑑登録をする場合は、上記に加えて、登録者本人を確認できる書類、委任状、代理人の本人確認書類・印鑑が必要になります。

本人確認書類は、顔写真の有無によって、印鑑登録証の交付までの日数が異なります。

  • 顔写真あり(運転免許証やパスポートなど):即時交付
  • 顔写真なし(保険証、年金証書など):書類参照する為、即日交付不可

顔写真なしの本人確認書類の場合は、申請後、登録者本人の住所地に紹介回答文書が届くので、申請日から1ヶ月以内に必要事項を記入した紹介回答文書を持って役所へ行き、提出後、印鑑登録証を受け取ることになります。

引越しで住所が変わる場合、印鑑登録の必要性は?

引越し

同じ市区町村名内で引越しをする場合

手続きの必要なし。
引越し先の役所に転居届を提出すると、自動的に登録情報(住所)が変更されます。

他の市区町村名へ引越しをする場合

新居先で手続きの必要あり。
今まで住んでいた住所地の役所に転出届を提出すれば、印鑑登録は自動的に抹消されます。手元の印鑑登録証(カード)は無効になる(記載されている住所が一致しなくなる)ので、そのまま処分しても大丈夫。

念の為に印鑑登録の廃止の手続きと印鑑登録証の返還をしておくと安心感はありますね。手数料は0円です。

そもそも転出届を提出しに役所へ行く必要があるので、その際に一緒に手続きを済ませてしまいましょう。身分証明書を忘れずに。
「既に引っ越し済みで、旧住所地の役所に転出証明書を申請している」という場合は、そのままにしておく他ありませんが……。

引越し先の役所に転入届を提出する際に、印鑑登録の手続きを行なうとスムーズです。

名字が変わる場合の印鑑登録は?

婚姻届

結婚前に印鑑登録をしている(する)場合

印鑑登録するハンコは、住民票の氏名と一致する必要があります。
婚姻届の提出で名字が変わる場合、登録してある印鑑と住民票の氏名が異なる場合は、自動的に印鑑登録が失効になります。

登録した印鑑が「氏名」「名字だけ」「名前だけ」によって、失効や継続の有無に違いが出てきます。

例えば、名前が「昼時かをる」、結婚後「朝間かをる」になる場合は……

登録している印鑑 氏名変更後の印鑑登録
昼時かをる 登録失効(姓と登録印が異なる)
昼時 登録失効(姓と登録印が異なる)
かをる 登録継続

印鑑登録が失効した場合は、新しい印鑑で改めて印鑑登録(改印登録)の申請を行ないます。
役所から「印鑑証明が無効になった」という通知書が届くので、すっかり手続きを忘れていても大丈夫。

「名前のみ」の場合は、何の変更手続きをしなくても良いのですが、他の市町村に引越しをする場合は、印鑑登録が抹消されてしまうので、新住所地で印鑑登録を行なう必要があります。

その為「引越し後、入籍する」という場合は、新住所地に転入届を提出する段階で印鑑登録が行なえるので、後日、手続きをしに役所へ行く手間が省けます。

結婚後に印鑑登録をする場合

婚姻届の提出と同時に印鑑登録が可能です。
「氏名」「名字のみ」「名前のみ」に関係なく、必要な身分証明書は旧姓のままでも大丈夫です。

婚姻届は24時間365日提出可能ですが、印鑑登録は住所地の役所が開いている平日の時間に限られます。
休日や夜間に婚姻届を提出してから、後日印鑑登録をする場合は「婚姻届が問題なく受理されたかどうか」を電話で確認してから、印鑑登録を行なった方が確実ですね。

「旧姓の身分証明書が有効として扱われるのはいつまでか?」に関して、問い合わせた所「有効期限は設けていない」という話でした。
結婚で名字が変わる場合、各種身分証明書の氏名変更は行なう必要があるので「手元に旧姓の身分証明書にある場合は、それを使う」「氏名変更済の身分証明書がある場合は、それを使う」という感じになると思います。

まとめ

印鑑登録は引越しや結婚により、役所で各種手続きを行なう際に一緒に済ませておくと良いです。

印鑑登録証明書は即日交付の方が、圧倒的に楽なので顔写真付きの身分証明書を忘れずに持って行きましょう。

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