結婚後の生命保険・医療保険はどうする?見直しや新規契約で考えたい保障の選び方

保険の見直し・加入

「結婚したら保険の見直しや新しく保険に加入した方が良い」という話を良く聞きます。

では実際に今加入している保険の保障内容を見直したり、新しい保険を検討したりする時に何に注目すれば良いのでしょうか?

自分たちに必要な保障内容とは?

保険で確保する保障は「死亡保障」「医療保障」が大きな要になります。

必要な保障額は「結婚の有無」「子どもの有無」「勤め先」「住まい(持ち家or賃貸)」などの条件によっても異なりますが、目安は以下の通りです。

【子どものいない共働き家庭】

性別 死亡保障額 医療保障額(入院日額)
男性 1,000~2,000万円 5,000円程度
女性 300~1,000万円 5,000円程度

【子どものいない片稼ぎ(専業主婦)家庭】

性別 死亡保障額 医療保障額(入院日額)
男性 1,000~2,500万円 5,000~7,000円程度
女性 300~1,000万円 5,000円程度

【シングル】

住まい 死亡保障額 医療保障額(入院日額)
親と同居・寮 300万円程度 3,000~5,000円
一人住まい 300~500万円 5,000円程度
持ち家 300万円程度 5,000円程度

今ある保険の保障を見直す

保険を活用した生活保障としては、生命保険の「終身保険」や「定期保険」が多く利用されています。

生命保険の保険金でカバーしたい費用は「住宅費」、「生活費」、「子どもの教育費」、「葬式代・お墓の費用」

独身時代は男女問わず「自分の葬式代をまかなえる程度の死亡保障」があれば充分ですが、結婚後は家計を支えている人の万が一に備えた生活保障(死亡保障や医療保障)をきちんと確保する必要が出てきます。

とは言え、子どものいる家庭と比較すると、生命保険や医療保険の保障額を高額にする必要性はありません。

独身時代、既に加入している保険商品がある場合、それを基本として「死亡保障」と「医療保障」の金額を検討・見直しをしてみましょう。

保障額の増減は必要?

「今後の生活と内容が合っていない」と思った時、何も考えずに解約するのはNG。

保障額が足りない場合は、保障額を増額した方が良いかどうかを確認します。

保険の満期と保証の確保が必要な時期が一致していれば、増資するのが管理の手間がなく便利です。

また時期がズレている時は「新しく別の保険に加入したり、特約を付けたりして、必要な時期の保障を補う」という方法もあります。

結婚して新しく保険に入る際「万が一の場合、残された妻の為に死亡保障を大きくしたい」と考える人が多いのですが、保障額を大きくすることで、後々の保険料が家計の負担になることもあるので、良くよく検討する必要があります。

逆に「保障が多すぎる」という場合は、保障額の減額や特約を解除します。
複数の保険商品に加入している場合、死亡時にもらえる保障が複数あることも少なくないので、各内容を確認して「どの保障や特約を見直せば良いのか?」を検討します。

会社員と自営業では家族構成などの条件が同じ場合、公的保障が手厚い会社員の方が自分たちで準備する必要がある保障は少なくて済みます。

万が一の場合、賃貸住まいだと、その後の住居費を含めた生活費の確保が必要になりますが、持ち家だと住宅ローンが残っていても団信でカバーしてくれるので必要な生活費は少なくなります。

公的保障で補えるかどうか?

保険には加入が義務付けられている「公的保険(健康保険や年金保険などの社会保険)」と、目的に応じて個々が任意で加入する「私的保険」があります。

保険に契約する大きな理由は「家計を支える人の万が一に備えて」ということですが、今後全てのお金を民間の生命保険会社が取り扱う私的保険で準備する必要はありません。

「公的な保障も受けられる」ことを前提に、保険で準備する保障額を考えます。

【死亡時の公的保障】

  • 遺族年金
  • 会社から支払われる死亡退職金・慰弔金
  • 住宅ローンの団体生命保険
  • 健康保険の埋葬料

公的な保障で代表的なのが「遺族年金」です。

夫か会社員で厚生年金や共済年金に加入していれば、子どもの有無に関係なく※遺族厚生(共済)年金が受け取れます。
年金額は、それまでの給料の額(平均標準報酬月額)によって決まります。

※子どもがいない30歳未満の妻は5年で打ち切り。

自営業や会社員、公務員問わず受け取れるのが「遺族基礎年金」ですが、18歳未満の子どもがいる家族が対象なので、子どもがいない夫婦であれば、子どもが産まれた後に考えれば良い保障部分ですね。

【健康保険】

  • 治療費や薬代などは3割負担
  • 高額医療制度

基本的に病気やケガして医療機関にかかった場合、治療費や薬代などは3割負担で済みます。

また長期治療で医療費が高額になっても、健康保険の「高額療養費制度」が適応されれば、1ヶ月の医療費の自己負担限度額は8~9万円程度で済みます。

高額療養費を受けるには、医療機関の窓口での支払いが自己負担限度額までで済む「現物給付」と、後日差額分の払い戻しを受け取れる「現金給付」の2種類の方法があります。

現金給付の場合、医療機関の窓口で医療費の3割の自己負担金を支払い、加入している健康保険に「高額療養費支給申込書」を提出することで、手続き完了後、高額医療費の払い戻しを受け取れます。

窓口での負担額は大きくなりますが、後払いで戻ってくることを考えると、ある程度の貯蓄があれば、医療保険に入っていなくても、何とかなりそうな金額ではないでしょうか?

ただし入院した場合は

  • 公的医療保険対象外の治療費
  • 差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • その他雑貨(雑誌代やテレビ代、入退院やお見舞いなどの交通費)

などは、健康保険の対象外なので、公的な保険だけでは不足する部分を補う為に入るのが医療保険なのです。

医療保障額(入院日額)は1日5,000円あれば充分。
妻が専業主婦で夫が家計を支えているという場合は保障を手厚めにしておきます。

ちなみに三大疾病の一つ「がん」は、医療保険でも保障は受けられますが、他の病気と比較して長期的な治療が必要な分、医療費が高額になったり、仕事に大きな支障が出たりする可能性が少なくありません。

家系や仕事、生活習慣などの理由で、ガンについて不安があれば「がん保険」や「特定疾病保障特約」に加入するという方法もあります。

がんと診断された時にまとまったお金が受け取れたり、入院や手術で給付金が上乗せされたりと、がんに対する保障が手厚いのが特徴的です。

その他公的保険

【労災保険】
通勤中や仕事中にケガや病気、障害、死亡などが起きた場合、治療費や賃金の保障、遺族の援護などを受けられます。通勤中にケガをしたら、療養給付や失業給付などがもらえます。

会社員や公務員は、ケガや病気で勤め先を休む際、4日目以降、最長で1年半、給与の2/3が支給される健康保険の「傷病手当金」もありますね。

【雇用保険】
失業や休職時の収入減を支えてくれるものです。
失業時に「失業給付」、出産による休職期間中に「育児休業給付金」、家族の介護による休職は「介護休業給付金」が支給されます。

夫婦型・家庭型の保険は選ぶべき?

悩む二人

保険商品の中には、被保険者の保証範囲を配偶者や子どもまで広げられる特約付きの夫婦型・家族型の保険もあります。

結婚後「夫婦型」に変更、子どもが産まれた後は「家族型」にする……という方法ですね。

夫婦型の保険にするメリット・デメリットは以下の通り。

【メリット】

  • 個別に保険加入するより、一人あたりの保険料が安くなる
  • 一つの保険で家族全員の保障がまかなえるので、管理の手間が省ける

【デメリット】

  • 保険料払込免除無しだと、契約者が死亡すると配偶者や子どもの保障が無くなる
  • 離婚時に配偶者への保障が無くなる
  • 主となる被保険者以外は保障額を自由に設定できない※

※入院給付金が夫の6~8割しか支給されない。

契約者の万が一の事態や離婚などを考えると、個別に保険に加入しておいた方が後々安心かもしれません。

受取人を配偶者に変更すべきかどうか?

保険金の受取人に関して、結婚後は「夫の保険は妻に」、「妻の保険は夫に」変更するのが一般的です。

ただし独身時代の保険で保険料の支払いを親が行なっていた場合、特に女性に多いのですが「親孝行の意味を込めて、受取人を変更しない」という場合も少なくありません。

独身時代の保険の受取人はそのままにして、結婚後に加入した保険の受取人は配偶者にする……という選択肢も考えられます。

「受取人を誰にするか?」に関しては「誰の今後を考えて、保険に入ったのか?」や「誰にお金を残したいのか?」「誰が受取人になれば、税金がかからないのか?」を再確認や相談をしてから決定した方が良いですね。

名義が誰かで適応される税金が異なる

保険会社から支払われる保険金や給付金は、受け取る種類や契約形態で課税対象になる場合があり、どの税金になるのかは「契約者と被保険者、受取人が誰になるか?」で異なります。

【死亡保険金(定期保険や終身保険)の場合】

  • 契約者と被保険者が同じ→相続税
  • 契約者と受取人が同じ→所得税
  • 契約者と被保険者、受取人が違う→贈与税
契約者 被保険者 受取人 税金の種類
自分 所得税
自分 自分 相続税
自分 自分 配偶者 相続税
配偶者 自分 配偶者 所得税
自分 配偶者 贈与税

【相続税】
最も一般的で、所得税や贈与税と比較して税金が安くて済む。
保険金から生命保険の非課税分と相続税の基礎控除分が差し引けるので、相続税がかかることは少ない。
※受取人が配偶者の場合は実質1億6,000万円までが非課税になる。

【所得税】
死亡保険金を「一時所得」とみなして課税対象になる。
保険金から必要経費分と特別控除が差し引けるので、税金は少なめ(相続税よりは割高になる)。
所得税の課税対象になる時は、住民税の課税対象にもなるので注意。

【贈与税】
死亡保険金から110万円(基礎控除)を引いた金額が課税対象になる。
相続税や所得税と比較して、最も高い税金がかかる。

女性は「妊娠前」の加入がおすすめ

妊娠

妊娠が分かった時点で保険の加入を検討する場合、女性は条件付きになったり、加入を断られたりする可能性があります。

例えば医療保険は妊娠27週目(妊娠中期最後の週)までであれば、ほとんどの保険会社で加入できます。

ただし「加入はできるが『特定部位不担保』の条件付き」になり、27週目を過ぎると「加入ができない」ことが多くなります。

特定部位不担保とは「特定の体の部分や特定の疾病について保障の対象外」になること。

今回のように妊娠中に医療保険に加入する場合、契約から1〜5年間(保険会社によって異なる)は特定部位不担保の期間となり、期間中に妊娠や出産時の異常が起きたり、子宮に関する病気の入院や手術をしたりしても保険金が出ません。

例えば以下のような項目が「異常妊娠、異常分娩」として不担保になります。

  • 帝王切開
  • 切迫早産
  • 切迫流産
  • 子宮頸管無力症
  • 吸引分娩
  • 早期破水
  • 子宮外妊娠
  • 前置胎盤
  • 妊娠中毒症
  • 死産

日本では約16%が帝王切開での出産で、近年増加傾向にあります。

ちなみに「医療保険に入っていなかった(検討はしていたが、その前に妊娠が発覚した)ので、帝王切開で出産したが給付金は受け取れなかった」という友人が身近に一人います。

「将来的に子どもが欲しい」と考えていれば、妊娠前に医療保険に加入した方が部位不担保での条件付き加入を避けられますね。

女性特有の病気が心配であれば、それらの保障が手厚い「女性保険」も見ておくと良いです。

分娩時の保障がある少額短期保険も

分娩時の保障には制限があることが多いのですが、最近は少額短期保険会社から正常分娩(帝王切開などの医療行為なしで出産すること。自然分娩)でも入院保障が受けられる保険が出ています。

●ABC少額短期保険「ABCおかあさん保険」
無配当新死亡保障付医療保険

●まごころ少額短期保険「マタニティライフ保険」
医療保険金付定期保険

●フローラル共済「なでしこくらぶ」
女性を育む保険

今まで入院に全く縁のなかった女性が、入院を経験する可能性が高いのが「妊娠・出産時」なので、近い将来、子どもを望んでいるのであれば、加入を検討してみるのも一つの選択肢として挙げられます。

働き方でもらえるお金に違いあり

出産・妊娠に関わるお金は、行政や勤務先からのサポートを受けられます。

働き方によってもらえるお金が異なるので「子どもができた後の仕事はどうしよう……」と思っている人は要チェックですね。

【妊娠・出産でもらえるお金の早見表】

働いており出産後も継続勤務 出産を機に退職 専業主婦
妊婦健診の助成
出産育児手当金
出産手当金 ×
育児休業給付金 × ×
児童手当
乳幼児・子ども医療費助成

出産手当金:勤め先の健康保険加入者が産休を取る場合。
育児休業給付金:勤め先の健康保険加入者が育休を取る場合。雇用保険からもらえる。

まとめ

結婚後の保険は「自分の為のもの」ではなく「お互いの為のもの」に変わります。

万が一に備えて、生命保険に加入して配偶者に必要な生活費を確保。医療保険でお互いのケガや病気に備えます。

生命保険の選び方

残された家族に「どれくらいの額が」「いつまで必要か」を考えて、生命保険や保障額を決定する。

保険で必要な額=残される家族の生活費など-(貯蓄など今あるお金+遺族年金など将来受け取れるお金)

死亡保険金は「男性:1,000~2,500万円、女性:300~1,000万円」が目安。
残される配偶者の職業や収入なども考慮すること。 
将来的には子どもや持ち家の有無によって保障額を増減する必要あり。

保障期間と保険料のバランスを考えて「定期」「終身」「養老」から選ぶ。

月々の保険料は、加入時30歳男性の場合「定期保険:約4,000円、終身保険:約2万円、養老保険:約2.5万円」。

医療保険の選び方

【会社員・公務員の場合】
公的保険での保障では補えない部分を私的保険でカバーする。
ライフイベントに応じて保障額を変えていくことを忘れない。

入院給付日額は5,000円程度が目安。
→妻が専業主婦の場合、夫が日額1万円&妻を家族特約にするという方法もある。

【自営業の場合】
入院などで働けなくなると収入減になり、代わりの人を雇う際は人件費が必要になることも。会社員や公務員よりも保障を手厚くした方が何かと安心。損害保険会社(損保)の「所得補償保険」に加入する手もあり。

入院給付日額は10,000~15,000円程度が目安。1回の入院限度日数は120~180日くらいを選びたい。余裕があれば自分のリスクに応じた特約(成人病入院特約、がん特約など)を付けると安心感あり。

【女性の場合】
妊娠中や出産後に医療保険に加入しようとすると、一部給付金が出ない(特定部位不担保の条件付きでの加入)、契約を断られるなど不利になることが多い。

妊娠前で健康な内に医療保険への加入がおすすめ。女性特有の病気に備えて、女性保険や女性疾病特約の有無も考えると◎。少額短期保険もあり。

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