結婚する意思が決まったら、早い段階でお互いの両親へ挨拶に行きます。
挨拶は「結婚をすることにしました」という結婚報告ではなく、親へ「結婚させて下さい」という了承を得る目的で行なうものです。
その為、挨拶当日の服装はかなり気を使う必要があります。
初対面だけではなく、既に相手の親と面識がある場合でも、今回の訪問が「改まった話をする」為なので、それ相応のきちんとした恰好が求められます。
目次
女性
服装
◎ワンピース
○ブラウス+スカート
○スーツ
上に羽織るものとして、カーディガンやボレロ、ジャケットなどと合わせます。
新しくワンピースを購入する際は、以下のポイントを押さえておくと失敗なく選べます。
【イメージ】
きちんとした印象を与える。小綺麗な恰好に見える。派手過ぎず、地味過ぎない。
【色合い】
淡いトーンなど明るい系。派手派手しい模様が無い。
【スカート丈】
膝~膝下くらい。座った時に太股が見えない。
【肌の露出】
少ない。ノースリーブより、襟付きのものを。
【生地】
光沢感やシャリ感があるもの。ジャージやニット生地はカジュアル度が高くなりがち。
「普段はパンツスタイルが多い」という人でも、その日はスカートが良いですね。
やはり「女性らしい」と好印象を持たれやすいアイテムなので、スカートにして損はありません。
スカートは足の癖(足を広げて座る、ガニ股で歩くなど)が悪目立ちやすいので、立ち振舞いにも気を付けましょう。
ヘアスタイル
清楚感があれば、基本的にどのような髪型でも大丈夫。
お辞儀をする度に髪を直すようであれば、前髪や横髪が気にならないアップヘアにしたり、ヘアピンで留めたりします。
「最近、美容院に行っていないな……」と思うのであれば、挨拶する日より以前に髪を整えに行けば、更にきちんと感が出ます。
髪の色は明る過ぎなければ、特に悪い印象を持たれることは無いと思います。
ただし金髪に近い色や派手派手しい色、髪の根元と毛先で色が違う(いわゆる「プリン髪」)は、だらしない印象を持たれてしまうので、差がはっきり分かる場合は、染め直した方が良いです。
メイク
相手の親への挨拶を考えると、やはりノーメイクはNG。
「清楚系」のナチュラルメイクが基本になります。
ナチュラルメイクとは「不自然さがない化粧」のこと。
普通にガッツリと化粧をするので、薄化粧や手抜きメイクとは違います。
アイシャドウやチーク、口紅の色や使い方に気を付けましょう。
メイク動画の「ナチュラルメイク講座」を見ると、つけまつげやカラコンを使っているものもありますが、年配の人からは良い顔がされにくいアイテムなので外しておきましょう。
【動画で見るナチュラルメイク】
アクセサリー
パールやゴールドなど、上質に見えるアクセサリーを「さり気なく身に付ける程度」に留めます。
ジャラジャラっと付け過ぎるのは、見栄えがあまり良くありません。
既に婚約指輪(エンゲージリング)を受け取っていても付けないこと。
「両親に挨拶に行く=結婚の承諾を得る」なので、婚約指輪は両家の顔合わせや結納の時に、付ける程度にします。
小物・バッグ
ブランド物の派手なバッグは避け、落ち着いた感じの小ぶりなハンドバッグを持ちます。
荷物が多い場合は、ハンドバッグとトートバッグに分けると良いです。
爪・ネイル
爪は短く切り揃えて、ネイルはしなくて大丈夫。
ネイルをする場合は、
・ツヤを出す為のトップコートだけにする
・ベージュ系、ピンク系の落ち着いた色を単色で使う
・華美にならないフレンチネイル
など、落ち着いたものにしましょう。
ネイルアート、ラメ、ラインストーン、スパンコールなど、派手な印象を与えるものは避けます。
香水は控えめに
香りが苦手な人もいるので、香水を付ける場合は付け過ぎに要注意。
甘さの強い香りは避けて「さり気なく香る」くらいが望ましいです。
デオドラントスプレーを使う場合は、無香料や石けん(ソープ)系の香り程度に留めます。
足元
挨拶は基本的に家に上がるので、最初に玄関で靴を脱ぐ機会があります。
履く靴としては、脱いだり履いたりしやすいパンプスが向いています。
ヒールは高過ぎないもので、挨拶へ行く前にきちんと磨いておきましょう。
中敷きに汚れが無いかも確認を。
夏場のサンダルやミュールは、カジュアル過ぎるのでNG。
秋冬はブーツ系は着脱に時間が掛かるので避けます。
季節問わず、ストッキングの着用は必須。
ヌードベージュが最も無難で、ブラックやブラウンなど、落ち着いた色合いを選びます。
タイツや派手な色・柄、刺繍入りはカジュアルな印象になるので避けましょう。
挨拶へ向かう途中でストッキングが伝線する可能性も考えて、替えを持って行くと安心です。
男性
服装
◎スーツ
○上:襟付きのシャツ+ジャケット、下:チノパン、スラックス
最も無難なのは「スーツ」です。
人によっては「堅苦しい」と思う人もいますが、服装でマイナスな印象を与える心配がありません。
スーツ:黒、紺、グレーなど。
シャツ:白や水色など、色合いは薄い。パリッとして清潔感がある。
中のシャツ:上着を脱いだ時に透けても大丈夫なもの。色は白や薄グレーなど。
ネクタイ:オーソドックスで、柄は控えめ。派手ではないもの。
ベルト:シンプルで落ち着いたもの。
夏場に挨拶に行く場合、上着やネクタイは暑苦しいのですが「改まった恰好」には欠かせないアイテムです。相手から「外しても結構ですよ」と言われた時に外しましょう。
普段から仲良くしてもらっていて、相手から「スーツ以外で」と言われた場合も、普段着ではなく、フォーマル寄りの「かしこまった恰好」を心がけます。
Tシャツ、パーカー、ジーンズ、カーゴパンツなどは、カジュアル過ぎる印象になるのでNG。
「挨拶に来たのに、ラフなTシャツ姿だった」というのは、将来的にもずっと言われる「ネタ」になる可能性も高いです……。
普段はスーツを着なくて「就活に使ったスーツしか無い」という場合は、今回を切っ掛けに新調するのも良いですね。
シャツはパリッとして着こなせるように、形状記憶でシワになりにくいノーアイロンタイプを選んだり、事前にアイロンをかけたり、クリーニングに出したりします。
「襟元や袖口が汚れていないか?」「外れかけているボタンは無いか?」も合わせて要チェックです。
【動画で見るアイロンの掛け方】
【動画で見るボタンの付け方】
ヘアスタイル
清潔な印象を与える髪型を。
整髪剤で整えたり、事前に散髪したりすれば、よりスマートです。
明るすぎる茶髪や長髪は避けた方が無難。
顔
ヒゲを綺麗に剃り、鼻毛が出ていないかもチェックします。
アクセサリー
身に付けるのは「時計」くらい。
爪
何かと見られる機会が多い手元。
爪は短く切り揃えて、爪の間に汚れが無いか確認を忘れずに。
足元
【靴】
革靴。紐付がベター。
清潔感が漂うように、しっかりと磨きます。
【靴下】
色:黒か濃いグレー、濃紺。
柄:無地、目立たないシンプルな柄。
丈:短すぎて足首やすね毛が見えてしまうのはNG。
イスに座ったり、正座をしたりした時に、しっかり隠れる長さ(クルーソックス)を選ぶ。
その他:靴を脱いで部屋にお邪魔するので、穴が開いていたり、一部が薄くなっていたりしないかもチェック。
自分の両親に会う時もきちんとした服装を
冠婚葬祭のマナー本を読んでいると「服装の格を合わせる」という言葉が良く出てきます。要は「両方の服装を見比べた時に、チグハグな印象を与えない恰好をする」こと。
「実家だから」「毎日のように顔を合わせているから」と言っても、相手のきちんとした恰好に合わせた服装をするのが「結婚の了承を得る」という改まった場では必要になります。
普段は適当な恰好をしていても、改まった場できちんとした恰好ができるのは、親の目から見ても好ましいことではないでしょうか。
まとめ
自分や相手の恰好を考えた時に「清潔感」「派手さが無い」「きちんとした」を重視するのは、挨拶の当日、両親や家族に会った時に「私が○○○さんの結婚相手です。きちんとした者なので、安心して下さい」「私はこの人と結婚するけれど、大丈夫だから」と思ってもらえる必要があるからです。
実際に私の場合、相手が「スーツを着ていく」と言った時に「夏にスーツは暑苦しいから、シャツとジャケット、チノパンで良いんじゃない?」と返したのですが「私の両親に挨拶をする意味」や「相手の結婚に対しての真剣な態度」を思うと、失礼で軽率な発言だったな……と反省しました。
「大事な時に、きちんとした恰好ができるかどうか」は、今後の付き合い方に影響を及ぼす可能性が大いに考えられます。
「自分をどう見せれば印象良く思ってもらえるか?」を意識して、当日の服装を選んでみて下さい。